「ダイエットで体重は減ったけれど、筋肉まで落ちていないか心配……」
「食事を減らしたら、以前より疲れやすくなった気がする」
減量中は体脂肪だけでなく、筋肉などの除脂肪量も減る可能性があります。
結論からいうと、減量中の筋肉をできるだけ守りたいなら、食事制限だけで体重を落とそうとせず、筋トレを中心とした運動を組み合わせることが大切です。
2026年に発表された34件のランダム化比較試験(RCT)、合計1,455人をまとめた研究では、カロリー制限だけの場合と比べて、カロリー制限に運動を組み合わせた方が除脂肪量を平均0.87kg多く維持できたと報告されました。

この記事では、最新研究をもとに、減量中の筋肉を守るための食事・筋トレ・有酸素運動のポイントを、体育教師・パーソナルトレーナーの視点から分かりやすく解説します。
- 減量すると筋肉も減る可能性がある理由
- 食事制限だけのダイエットを避けたい理由
- 減量中に取り入れたい筋トレ
- 筋トレと有酸素運動の使い分け
- タンパク質を確保する方法
- 体重以外に確認したい指標
40代・50代からの減量では、単に体重を軽くするのではなく、筋肉や体力を守りながら余分な体脂肪を減らすことを目指しましょう。
減量中は脂肪だけでなく筋肉も減る可能性がある
ダイエットでは、どうしても体重の数字に目が向きがちです。しかし、体重が5kg減ったとしても、その5kgすべてが体脂肪とは限りません。
減量中には、体脂肪、筋肉、体内の水分、その他の除脂肪組織などが変化します。そのため、本当に考えたいのは、「何kg減ったか」だけではなく、「何を減らし、何を残せたか」です。
特に40代・50代では、これから先も仕事や旅行、スポーツ、日常生活を元気に楽しむために、筋肉や筋力をできるだけ維持することが重要になります。
最新研究|食事制限+運動で除脂肪量の減少が抑えられた
2026年の『Diabetes, Obesity and Metabolism』に、カロリー制限中の運動と除脂肪量について調べたシステマティックレビュー・ネットワークメタアナリシスが掲載されました。
対象は、過体重または肥満の人を対象とした34件のRCT、合計1,455人です。研究では「カロリー制限のみ」と「カロリー制限+運動」が比較されました。
その結果、運動を組み合わせたグループでは、カロリー制限だけの場合よりも、除脂肪量が平均0.87kg多く維持されました。研究全体では、運動によって除脂肪量の減少を約45.7%抑えたと推定されています。
運動方法による違い
| 運動方法 | カロリー制限のみと比較した除脂肪量への効果 |
| 複合トレーニング | +1.20kg |
| 筋力トレーニング | +0.83kg |
| 持久系トレーニング | +0.51kg |
複合トレーニングとは、筋力トレーニングと持久系トレーニングを組み合わせる方法です。ただし、運動方法同士の差が統計的に明確だったわけではありません。
減量中の筋肉を守るために大切な4つのポイント
基本は次の4つです。
- 食事制限だけで減量しない
- 筋トレを週2~3日取り入れる
- タンパク質を不足させない
- 体重以外の変化も確認する
①食事制限だけで減量しない
体脂肪を減らすには、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを考える必要があります。しかし、夕食を毎日抜く、炭水化物をほとんど食べない、できるだけ低カロリーにするといった極端な制限はおすすめできません。
食事量を減らしすぎると、タンパク質やビタミン、ミネラルなどまで不足する可能性があります。さらに、空腹や疲労で継続できなくなれば、リバウンドにもつながります。
②筋トレを週2~3日取り入れる
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して筋トレを週2~3日行うことが推奨されています。
運動初心者は週2回から、椅子を使ったスクワット、壁を使った腕立て伏せ、チューブを引く運動、軽いダンベル運動などを始めてみましょう。同じ筋肉を使う筋トレは連日行わず、回復する時間を設けます。
大切なのは限界まで追い込むことではなく、安全に続けられる範囲で筋肉に適度な刺激を与えることです。
③タンパク質を不足させない
タンパク質は筋肉をはじめ、体をつくる材料です。しかし減量中は、食事量を減らすことで、カロリーだけでなくタンパク質まで不足することがあります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30~49歳および50~64歳のタンパク質推奨量は、男性65g/日、女性50g/日です。ただし、必要量は体格、運動量、健康状態などによって変わります。
食事で不足する場合はプロテインも選択肢
プロテインは筋肉を増やす魔法の食品ではなく、食事で不足するタンパク質を補う食品です。飲む量やタイミングに迷う方はプロテインの正しい飲み方ガイドをご覧ください。
④体重だけで減量の成功を判断しない
体重は水分量、食事量、排便、塩分摂取量などでも変動します。体重だけでは、体脂肪と筋肉の変化を正確に判断できません。
体重とあわせて、ウエスト、見た目、筋力、トレーニング重量や回数、日常生活での体力、体脂肪率や筋肉量の傾向を確認しましょう。
筋トレと有酸素運動はどちらを優先する?
筋肉を守りながら脂肪を減らしたい場合は、筋トレを取り入れたうえで、必要に応じて有酸素運動を組み合わせる方法が現実的です。
| 運動 | 主な役割 |
| 筋トレ | 筋肉と筋力に刺激を与える |
| ウォーキングなど | 活動量とエネルギー消費を増やす |
| 両方の組み合わせ | それぞれのメリットを活かす |
運動初心者なら「筋トレを週2回+無理のないウォーキング+日常生活で歩く時間を少し増やす」程度から始めましょう。
40代・50代は「体重を落とすだけ」のダイエットから卒業しよう
40代・50代から先を考えると、階段を楽に上れる、旅行やスポーツを楽しめる、疲れにくい、自分の足で長く歩けるといった身体機能も重要です。



ブログ「体育教師×トレーナーの健康教室」で大切にしているのは、単に体重を減らすことではなく、一生動ける体をつくることです。
減量中に筋肉を守るときの注意点
除脂肪量は筋肉だけではない
除脂肪量には筋肉だけでなく水分や臓器なども含まれます。そのため、除脂肪量+0.87kg=筋肉が0.87kg守られたという意味ではありません。骨格筋量を直接報告した研究は34件中2件でした。
研究対象は主に過体重・肥満の成人
すべての年代・体格・健康状態の人に同じ効果が出るとは限りません。すでに体脂肪率が低い人や競技目的で減量する人に、そのまま当てはめられる結果でもありません。
効果が大きく見積もられている可能性がある
論文では出版バイアスも確認されており、著者は効果が過大評価されている可能性を指摘しています。細かな数字より、食事制限だけにせず運動を組み合わせるという考え方を実践に活かしましょう。
よくある質問
体育教師×トレーナーとしての結論



減量中に筋肉を守りたいなら、食べる量を減らすだけのダイエットにしないことが重要です。
基本は、無理のない食事調整+週2~3日の筋トレ+必要に応じた有酸素運動です。
さらに、体重だけでなく、ウエスト、筋力、トレーニング内容、体脂肪率の推移、日常生活での体力も確認しましょう。
今日から始めるなら、次の3つで十分です。
- 食事を極端に減らさない
- 毎食タンパク質を意識する
- 週2回から筋トレを始める
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考にした公的機関・論文
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニング情報シート


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