はじめに

体育教師×スポーツトレーナーのしゅんせいです。
この記事では
「有酸素運動って何に良いの?」
「何をすれば有酸素運動になるの?」
「筋トレとどっちをすればいい?両方必要?」
こんな疑問を、わかりやすく解説します。
この記事を読んでいただくと
- 有酸素運動とは何か
- 有酸素運動の効果
- 効果を高めるやり方
が、理解できます。



ぜひ最後までお読みください。
有酸素運動とは何か
有酸素運動という言葉は皆さん聞いたことがあるかと思います。
テレビやネットなどでも、「ダイエットに効果的」、「体力をつけるのに必要」と言われているので、効果もなんとなく知っている人が多いんではないかと。
有酸素運動の定義
酸素を使ってエネルギーを生み出す運動
有酸素運動とは、酸素を取り込みながら体内の糖質や脂肪をエネルギー源として、軽~中程度の負荷を長時間継続して行う運動のことです。
- 酸素の利用: 筋肉を動かすエネルギーを作る際、酸素を必要とする「好気的代謝」によって動く運動です。
- 負荷と時間: 比較的軽い〜中程度の負荷で、最低でも20分〜30分程度、あるいはそれ以上継続して行える運動を指します。
- エネルギー源: 主に体脂肪や糖質が燃焼され、エネルギー源として消費されます。
無酸素運動との違い
有酸素運動は酸素を使い脂肪を燃焼する長時間の低〜中強度運動(ウォーキング等)であり、無酸素運動は酸素を使わず糖をエネルギー源とする短時間の高強度運動(筋トレ等)です。
有酸素運動と無酸素運動の比較一覧
| 特徴 | 有酸素運動 | 無酸素運動 |
|---|---|---|
| 酸素の利用 | 利用する | 利用しない(少ない) |
| エネルギー源 | 糖、脂肪、(タンパク質) | 糖(グリコーゲン) |
| 運動強度 | 低~中程度 | 高強度 |
| 持続時間 | 長時間 | 短時間(瞬発的) |
| 主な目的 | 脂肪燃焼、持久力向上 | 筋力アップ、筋肥大 |
| 具体例 | ウォーキング、マラソン、水泳 | 筋トレ、短距離走、重量挙げ |
代表的な有酸素運動
屋外で行う運動
- ウォーキング、散歩
- ジョギング、ランニング
- サイクリング
- ハイキング
- なわとび
- ラジオ体操 など
屋内で行う運動
- 踏み台昇降
- エアロビクス
- フィットネスバイク(エアロバイク)
- ランニングマシン(トレッドミル)
- 水泳、アクアビクス
- ヨガ など



運動に限らず、「徒歩で移動する」「階段を使う」「家事をする」といった日常生活も有酸素運動に入ります。
有酸素運動の主な効果
有酸素運動には素晴らしい効果がたくさんあります。
今回の記事では以下の4つにわけて解説します。
- 脂肪燃焼効果
- 心肺機能・持久力の向上
- メンタルへの効果
- 生活習慣病の予防
脂肪燃焼・ダイエット効果
糖質がエネルギー源
運動開始直後は血中や肝臓・筋肉内の糖質(グリコーゲン)が優先的に使われます。
糖質は、活動によって消費しきれなかった分は体内に残り、中性脂肪に形を変えて蓄積されてしまいます。
なので、有酸素運動で糖質をしっかりと使い切ることで、脂肪がつくのを防いだり体脂肪を減らしたりする効果が期待できます。
エネルギーが不足してくると脂肪もエネルギー源に
有酸素運動のエネルギー源として消費される順番は、「糖質→脂質→タンパク質」と言われています。
ただ、順番と言っても「糖質を完全に使い切ってからでないと脂質をエネルギーにしない」というわけではありません。
運動開始時は「糖質をエネルギーとして使われる割合が高い」という意味で、脂質も開始時から少し使われています。



糖質が枯渇するほど、脂質をエネルギーとして使う割合が増えますので、ダイエット効果を高めたい方は、20~30分程度の運動時間を目安にしましょう。
気をつけたい糖新生
糖新生(とうしんせい)とは、食事から糖が摂れない空腹時や絶食時に、肝臓や腎臓が乳酸、アミノ酸、グリセロールなどの糖質以外の物質からブドウ糖(グルコース)を新たに合成し、血糖値を一定に保つ体の機能です。
なぜ気をつけたいかというと、肝臓が筋肉のタンパク質を分解してアミノ酸からエネルギー源を作ってしまうため、筋肉が減ってしまうリスクがあるからです。
筋肉が減ることで、筋力低下、代謝低下を招き、ダイエットしづらい体になってしまうだけでなく、健康的な体からも遠ざかってしまいます。



運動の1~2時間前に適切な炭水化物を摂取して、空腹状態で長時間の運動は避けましょう。
心肺機能・持久力の向上
有酸素運動は、心臓と肺をたくさん使う運動です。
運動中に継続的に酸素を取り込むため、心臓が一度に送り出す血液量が増加し、肺のガス交換効率が高まります。
運動を継続することで、心筋(心臓の筋肉)が鍛えられ、毛細血管が発達することで、少ない負担で効率的に酸素を全身へ運べるようになり、持久力がつきます。
- 心臓のポンプ機能強化: 心臓(心筋)が鍛えられることで、1回の拍動で送り出せる血液量(心拍出量)が増加する。
- 毛細血管の発達: 酸素を隅々まで届けるために、筋肉内の毛細血管が増殖・発達する。
- 酸素摂取能力の向上(VO2Max): 肺から血液への酸素取り込み能力が高まり、全身の組織で酸素を利用しやすくなる。
- 安静時心拍数の低下: 効率よく血液を送れるようになるため、安静時や同じ運動強度における心拍数が下がる。



この結果、心肺への負担が減り、疲れにくく、持久力のある体へ変化します。
メンタルへの効果
有酸素運動は、セロトニンやエンドルフィンといった「幸せホルモン」を分泌し、不安や気分の落ち込みを和らげ、精神的な安定とリラックス効果をもたらします。
- 不安・気分の落ち込みの軽減: ストレスホルモン「コルチゾール」を抑え、気分を安定させる効果がある。
- 「幸せホルモン」の分泌: セロトニン(精神的安定)やエンドルフィン(リラックス・高揚感)の分泌により、幸福感が高まる。
- ストレス解消・リラックス: 血行が良くなり、副交感神経が優位になることで心身がリラックスする。
- 自己肯定感の向上: 運動を継続できたという達成感や満足感が自信につながる。
- うつ病の予防・改善: 定期的な有酸素運動は抗うつ薬と同等のストレス軽減効果を示す研究もあります。



「心身相関」という言葉通り、心と体は繋がっていて、メンタルにも良い影響があるのです(^^)
生活習慣病の予防
生活習慣病は、食習慣、運動不足、休養、喫煙、飲酒などの日常の生活習慣が原因で発症・進行する、がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧などの疾患群のことです。
これらの予防に有酸素運動は効果的です。
- 脂肪燃焼: 内臓脂肪を燃焼させ、メタボリックシンドロームの予防・改善につながる。
- 糖・脂質代謝改善: インスリンの働きを促進し血糖値を下げ、善玉コレステロールを増やして中性脂肪を減らす。
- 血管の健康: 血管内皮機能を改善し、高血圧の改善(血圧低下)に寄与する。
- その他の効果: 心肺機能の向上、骨密度の維持、ストレス解消、脳卒中や心臓病のリスク低下。
効果を高める有酸素運動のやり方
基本的なやり方
有酸素運動は、ウォーキングやジョギングなどを最初は無理のない範囲で、慣れてきたら「ややきつい」と感じる中程度で、「20分以上、週に2~3回」を目安にしましょう。
効果を最大化するには心拍数を意識
筋トレで筋力や筋肥大をさせるときは、重さや回数などを意識することで効果が出ます。
では、有酸素運動は何を意識するかというと、「心拍数」です。



心拍数をどれくらいにして運動すると、どんな効果が期待できるのか解説していきます。
目的別の心拍数強度
| 最大心拍数による% | 自分の感覚 | 目的 |
|---|---|---|
| 90~100% | 非常にきつい | アスリートレベルでの瞬発力向上 |
| 80~90% | かなりきつい | 最大運動能力の向上 |
| 70~80% | きつい | 有酸素運動能力 |
| 60~70% | ややきつい | 脂肪燃焼、基本的な持久力 |
| 50~60% | やや楽 | ウォーミングアップ、クールダウン、運動不足解消 |
最大心拍数を知る方法(簡易版)



最大心拍数の何%で動けばどんな目的が分かったところで、今度はその目的の心拍数を知るための方法を解説します。
目標心拍数の計算式(簡易版)
最大心拍数 = 220 ー 年齢
上記を元に40歳の人の目的別強度の計算をしてみましょう。
最大心拍数= 220 ー 40(年齢) = 180
・ウォーミングアップ 180×50%~180×60% = 90~108
・脂肪燃焼、基本的な持久力 180×60%~70% = 108~126
・有酸素運動能力向上 180×70%~80% = 126~144
・最大運動能力の向上 180×80~90% = 144~162
・アスリートレベルでの瞬発力向上 180×90~100% = 162~180



40歳の人がダイエット目的で有酸素運動をする場合は、「心拍数108~126」を目安にすればいいのが分かりますね。
年齢別の早見表を作りましたので、参考にしてください。
| 年齢/心拍数 | 最大心拍数 | 50~60% | 60~70% | 70~80% | 80~90% | 90~100% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | 205 | 102~123 | 123~143 | 143~164 | 164~184 | 184~205 |
| 20 | 200 | 100~120 | 120~140 | 140~160 | 160~180 | 180~200 |
| 25 | 195 | 97~117 | 117~136 | 136~156 | 156~175 | 175~195 |
| 30 | 190 | 95~114 | 114~133 | 133~152 | 152~171 | 171~190 |
| 35 | 185 | 92~111 | 111~129 | 129~148 | 148~166 | 166~185 |
| 40 | 180 | 90~108 | 108~126 | 126~144 | 144~162 | 162~180 |
| 45 | 175 | 87~105 | 105~122 | 122~140 | 140~157 | 157~175 |
| 50 | 170 | 85~102 | 102~119 | 119~136 | 136~153 | 153~170 |
| 55 | 165 | 82~99 | 99~115 | 115~132 | 132~148 | 148~165 |
| 60 | 160 | 80~96 | 96~112 | 112~128 | 128~144 | 144~160 |
| 65 | 155 | 77~93 | 93~108 | 108~124 | 124~139 | 139~155 |
| 70 | 150 | 75~90 | 90~105 | 105~120 | 120~135 | 135~150 |
| 75 | 145 | 72~87 | 87~101 | 101~116 | 116~130 | 130~145 |
| 80 | 140 | 70~84 | 84~98 | 98~112 | 112~126 | 126~140 |
最大心拍数を知る方法(詳細版)
先ほどの簡易版と違い、更に個人の体力レベルに合った強度の計算方法があります。
それを知るためには、安静時の脈拍を測る必要があります。
- リラックスする:椅子に座って落ち着いた状態で、腕を机などに置きます。
- 指を当てる:反対の手の人差し指、中指、薬指の3本を、利き手でない方の手首の親指側(橈骨動脈)のくぼみに軽く当てます。
- 脈拍を数える:時計を見ながら、15秒間脈が打つ回数を数えます。
- 計算する:15秒で数えた回数に4を掛けると、1分間の心拍数(bpm)がわかります(例:15秒で18回なら18×4=72bpm)。
※手首の他、首の付け根(頸動脈)でも測れます。
※30秒測って2倍する方法や60秒しっかり測る方法もあります。
目標心拍数の計算式(詳細版)
(220 ー 年齢 ー 安静時脈拍) × 運動強度(%) + 安静時脈拍 = 目標心拍数



式が一気にややこしくなりましたね(笑)
「めんどくさっ!」って感じた方は、まずは簡易版の計算でもOKです(^^)
ちなみに詳細版の計算方法を「カルボーネン法」と言います。
上記を元に「40歳、安静時脈拍80、強度60~70%のダイエット目的」の人の計算をしてみましょう。
220 ー 40(年齢)ー 80(安静時脈拍)× 0.6(運動強度%)+ 80(安静時脈拍)=140
220 ー 40(年齢)ー 80(安静時脈拍)× 0.7(運動強度%)+ 80(安静時脈拍)=150
40歳の方がダイエット目的に有酸素運動をする場合の目標心拍数は、「140~150」ということになります。



自分に合った強度で有酸素運動したい方は、このカルボーネン法で目標心拍数を出してみてください!
健康維持・向上のための有酸素運動の考え方
筋トレと組み合わせる
筋トレと有酸素運動では期待できる効果が違うため、健康維持・向上のためには両方行うのがオススメです。
| 筋トレ(無酸素運動)の主な効果 | 有酸素運動の主な効果 |
|---|---|
| ・筋肉量増加 ・筋力増加 ・ボディメイク | ・心肺機能の強化 ・脂肪燃焼効果 ・血流促進 |



同じタイミングで筋トレと有酸素運動をする場合、「筋トレ→有酸素運動」の順番がオススメです。
理由は、筋トレ(無酸素運動)は糖質をメインのエネルギーにするためエネルギーが満たされている内に行うのが効果的だからです。
無理なく継続する
健康維持のための有酸素運動は、1日合計30分(10分×3回でも可)を週2〜3回から始めるのが無理なく続けるコツです。心肺機能向上や脂肪燃焼に有効で、早歩きや階段利用など日常生活に運動を取り入れ、疲労を溜めないよう適度に休むことが長期間継続の秘訣です。
- 目標設定は低く:まずは「1日10分のウォーキング」や「エレベーターの代わりに階段を使う」など、小さな目標から始める。
- 分割してもOK:1回で30分連続運動できなくても、10分を3回に分けて合計30分にしても同等の健康効果が得られる。
- 頻度は週2〜3回:毎日行う必要はなく、週2〜3回、慣れてきたら徐々に増やす。
- 「ながら」運動:テレビを見ながらの足踏み、通勤の早歩きなど、日常の習慣に組み込む。
- 楽しみを見つける:お気に入りのウェアを着る、音楽を聴く、景色を楽しむなど、楽しさをプラスする



有酸素運動は筋トレより効果の実感も早いので、まずはストレスに感じず気楽にできるペースで続けてみましょう♪
体を回復させたりしっかり休養したりも大切です。




【まとめ】
- 有酸素運動は、軽~中程度の負荷を長時間継続して行う運動
- 酸素を取り込みながら体内の糖質や脂肪をエネルギー源として使う
- ウォーキング、サイクリング、ラジオ体操、ヨガなど
- 脂肪燃焼、心肺機能向上、生活習慣病の予防などに効果的
- 最初は無理のない範囲で「20分以上、週に2~3回」を目安にしましょう
- 効果を最大化するには心拍数を意識
- 筋トレと組み合わせると健康維持・向上に更に効果的
- 無理なく継続しよう



この記事を参考に、自分に合った強度・ペースで有酸素運動を取り入れてみてください。
運動・栄養・休養に関してはこちらのカテゴリー記事も参考に(^^)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


コメント