ロコモティブシンドロームとは?7つのチェックと予防運動を40代・50代向けに解説

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階段や立ち上がりの変化を「年齢のせい」で済ませていませんか?

「階段を上ると足が重い」
「以前より歩くのが遅くなった」
「何もないところでつまずくことが増えた」

40代・50代になると、このような変化を感じる人が増えてきます。

多少の変化は加齢に伴って起こりますが、すべてを「年齢のせい」で済ませるのはおすすめできません。骨・関節・筋肉・神経などの働きが低下し、立つ・歩くといった移動機能が衰えている可能性があるからです。

この状態をロコモティブシンドローム、通称「ロコモ」といいます。

この記事では、現役の保健体育教師・パーソナルトレーナーとして、ロコモの意味、原因、7つのチェック項目、自宅でできる予防運動、注意点、受診目安を初心者向けに解説します。

先に結論をお伝えすると、ロコモ対策で大切なのは、厳しい運動を急に始めることではありません。

自分の状態を確認し、無理のない筋トレ・バランス運動・歩行を少しずつ続けることが大切です。


目次

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドロームとは、骨・関節・筋肉・神経などの「運動器」に障害が起こり、立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態です。

ロコモが進行すると、将来、介護が必要になるリスクが高くなります。日本整形外科学会では、ロコモ度1以上に該当する人は推計4,590万人と紹介しています。日本整形外科学会

運動器とは

運動器とは、人が体を動かすために必要な次の組織をまとめた呼び方です。

  • 関節・軟骨
  • 筋肉
  • 腱・靱帯
  • 脊椎
  • 神経

車に例えると、骨が車体、関節が可動部分、筋肉がエンジン、神経が動きを伝える配線のようなものです。

どれか一つに問題が起こるだけでも、歩行や立ち座りに影響することがあります。

サルコペニア・フレイルとの違い

用語主な意味
ロコモ運動器の障害によって移動機能が低下した状態
サルコペニア加齢などによって筋肉量・筋力・身体機能が低下した状態
フレイル心身の活力が低下し、健康と要介護の中間にある状態

3つは別の概念ですが、互いに関連しています。

例えば、筋肉が減ってサルコペニアが進むと歩く力が落ち、ロコモにつながることがあります。外出が減れば、人との交流や食欲も減り、フレイルにつながる可能性があります。


ロコモは高齢者だけの問題ではない

ロコモという言葉から、高齢者だけの問題だと思う人もいるかもしれません。

しかし、筋力や運動習慣の変化、関節への負担は、ある日突然始まるものではありません。仕事や家事で座る時間が長くなり、運動する機会が減りやすい40代・50代から少しずつ表れることがあります。

この年代で、

  • 階段を避けるようになった
  • 休日の外出が減った
  • 椅子から立つときに手をつく
  • 片脚で立つとふらつく
  • 膝や腰が気になって動かなくなった

という変化がある場合は、今の体力に合わせた対策を始めるタイミングです。

早めに体を動かす習慣をつくることは、移動機能の維持だけでなく、体力・骨・筋肉・生活習慣病の予防にも役立ちます。


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ロコモの主な原因

1.筋力とバランス能力の低下

太もも、お尻、ふくらはぎの筋肉は、歩く、立つ、階段を上るといった動作を支えています。

これらの筋力が低下すると、歩幅が狭くなったり、立ち上がりにくくなったりします。バランス能力も低下すると、つまずきや転倒につながる可能性があります。

2.骨・関節・神経の病気

次のような運動器の病気もロコモの原因になります。

  • 変形性膝関節症
  • 変形性股関節症
  • 骨粗しょう症
  • 骨折
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 神経障害
  • サルコペニア

痛みやしびれが続く場合は、運動不足だけと決めつけず、整形外科などの医療機関へ相談しましょう。

3.運動不足

動く機会が減ると、筋力や体力が低下します。体力が低下すると、さらに動くのがおっくうになるという悪循環に入りやすくなります。

重要なのは、最初から長時間の運動をすることではありません。

まずは、

  • 30分ごとに一度立つ
  • 近距離は歩く
  • エレベーターではなく階段を一部だけ使う
  • 椅子から5回立ち座りする

など、今より少し多く動くことから始めましょう。

自宅で安全に運動を続けたい方へ

ロコモ対策は特別な道具がなくても始められますが、滑りにくいマットやトレーニングバンドがあると、運動の幅を広げやすくなります。
40代・50代の運動初心者向けに、使いやすさ・収納性・注意点まで比較しました。
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4.肥満とやせすぎ

体重が多すぎると、膝や股関節への負担が増える場合があります。

一方で、やせすぎや極端な食事制限も、筋肉や骨を維持するための栄養が不足する原因になります。

BMIだけで判断せず、筋肉量、食事内容、体力、持病、関節の状態を合わせて考えることが大切です。


7つのロコチェック|1つでも当てはまったら体を見直そう

日本整形外科学会では、日常生活から運動器の衰えに気づくための「7つのロコチェック」を公開しています。ロコモONLINE「ロコチェック」

次の項目を確認してみましょう。

  • 片脚立ちで靴下がはけない
  • 家の中でつまずいたり、すべったりする
  • 階段を上がるのに手すりが必要
  • 掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど、家のやや重い仕事が困難
  • 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難
  • 15分くらい続けて歩けない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

1つでも該当すればロコモの心配があるとされています。

ただし、このチェックだけで病気を診断することはできません。痛み、しびれ、転倒などがある場合は医療機関へ相談してください。

ロコチェックとロコモ度テストの違い

ロコチェックは、日常生活の変化に気づくための簡易チェックです。

一方、現在の移動機能を詳しく調べる方法として、次の3つの「ロコモ度テスト」があります。

  1. 立ち上がりテスト
  2. 2ステップテスト
  3. ロコモ25

3つのうち一つでも基準に該当すると、ロコモと判定されます。

日本整形外科学会「ロコモ度テスト」

2ステップテストは最大2歩分の歩幅を測り、身長で割って評価します。ただし、転倒の危険があるため、介助者がいる場所や滑りにくい床で行いましょう。

2ステップテストの方法

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ロコモを予防する5つの方法

1.片脚立ちでバランス能力を鍛える

やり方

  1. 転倒しないよう、机や椅子の背もたれにつかまる
  2. 姿勢をまっすぐにする
  3. 片方の足を床から少し浮かせる
  4. 左右それぞれ行う

初心者の目安

  • 左右10〜30秒
  • 1〜3回
  • 1日1〜3セットから開始

日本整形外科学会の基本的なロコトレでは片脚立ちとスクワットが紹介されていますが、実施時間や回数は体力に合わせて調整してください。日本整形外科学会「ロコトレ」

注意点

  • 必ずつかまれる物の近くで行う
  • ふらつく人は手を離さない
  • 高く足を上げる必要はない
  • 痛みや強いめまいが出たら中止する

2.スクワットで下半身を鍛える

やり方

  1. 足を肩幅程度に開く
  2. 椅子に座るように、お尻を斜め後ろへ引く
  3. 膝とつま先の向きをそろえる
  4. 無理のない深さまで下がる
  5. 足裏全体で床を押して立ち上がる

初心者の目安

  • 5〜10回
  • 1〜3セット
  • 週2〜3日から開始

不安がある人は、椅子の背もたれや机につかまって行いましょう。深くしゃがむことよりも、安全な姿勢で続けることが大切です。

厚生労働省は成人・高齢者ともに、個人差に合わせながら筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。厚生労働省「身体活動・運動ガイド2023」

3.歩く時間を増やし、座りすぎを減らす

健康づくりの目安として、成人は1日約8,000歩、高齢者は1日約6,000歩が示されています。

ただし、これは全員が初日から達成すべきノルマではありません。

現在3,000歩の人が、急に8,000歩へ増やすと膝や足を痛めることがあります。まずは今より500〜1,000歩増やす、10分多く歩くなど、無理なく増やしましょう。

歩く習慣をつけたい方へ

歩く習慣を始めたい方は、足に合ったシューズ選びも大切です。
高価さや軽さだけでなく、安定性・クッション性・足幅を確認しましょう。
▶ 40代・50代向け運動シューズの選び方を見る

4.筋肉と骨を支える食事をとる

特定の栄養素だけを大量に摂ればロコモを防げるわけではありません。

基本は、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事です。そのうえで次の栄養素を意識しましょう。

  • タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
  • カルシウム:牛乳・乳製品、小魚、大豆製品
  • ビタミンD:魚、卵、きのこ類
  • ビタミンK:納豆、緑黄色野菜
  • エネルギー:極端な食事制限を避ける

サプリメントは食事を補助するものです。持病や服薬がある人は、自己判断で大量に摂らず、医師や薬剤師へ確認してください。

食事だけではタンパク質を摂りにくい方へ

プロテインはロコモを治すものではありませんが、食事で不足するタンパク質を補う選択肢になります。必要性・種類・注意点を確認してから選びましょう。
▶ 40代・50代向けプロテイン7選を比較する

5.痛みや体力に合わせて運動を調整する

運動は、強ければ強いほどよいわけではありません。

現場で40〜80代の方をサポートしていると、「できる運動を少しずつ続ける人」の方が習慣化しやすいと感じます。

膝が気になる場合は浅いスクワット、立位が不安定なら椅子からの立ち座り、歩くと痛む場合は医療機関で原因を確認するなど、状態に合わせて選びましょう。


ロコモ対策のメリットと注意点

メリット

  • 立つ・歩く・階段を上る動作の維持につながる
  • 下半身の筋力やバランス能力を鍛えられる
  • 転倒リスクの軽減が期待できる
  • 外出や趣味を続けやすくなる
  • 将来の自立した生活を守る準備になる

注意点

  • 運動だけですべてのロコモが改善するわけではない
  • 関節や神経の病気が原因の場合は治療が必要
  • 痛みを我慢して運動すると悪化する場合がある
  • 急に回数や歩数を増やさない
  • ロコチェックは診断ではない
  • サプリメントだけに頼らない

2023年の系統的レビューでは、運動を含む複数の介入で身体機能の改善が報告されていますが、研究方法や介入内容にはばらつきがあり、どの方法が全員に最適かは断定できないとされています。Iwamotoら・2023年

病院を受診した方がよい症状

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 転倒後に強い痛みや腫れがある
  • 手足に急なしびれや麻痺が出た
  • 立てない、歩けない
  • 排尿・排便の異常を伴う腰痛がある
  • 発熱や体重減少を伴う痛みがある
  • 運動を中止しても痛みが改善しない
  • 日常生活に支障が出ている

急な麻痺、歩行困難、排尿・排便障害などは、早急な医療対応が必要な場合があります。

まとめ 体育教師×トレーナーとしての結論

ロコモ対策で最も大切なのは、年齢を理由に動くことを諦めないことです。

一方で、「将来が不安だから」と急に無理な運動を始める必要もありません。

おすすめの順番は次のとおりです。

  1. 7つのロコチェックで現在の状態を確認する
  2. 痛みやしびれがあれば医療機関へ相談する
  3. 問題がなければ片脚立ちと椅子スクワットから始める
  4. 普段の歩行や立つ時間を少し増やす
  5. 1〜3か月単位で無理なく継続する

1日だけ頑張るより、5回の立ち座りを生活の中で続ける方が将来の体づくりにつながります。
今日から、歯磨き中の安全な片脚立ちや、椅子からの立ち座り5回など、できることを一つ始めてみましょう(^^)

一人で運動を続けるのが不安な方へ

膝や腰に痛みがないことを確認したうえで、初心者向けのオンライン運動指導やフィットネスを利用する方法もあります。料金だけでなく、指導者の資格、サポート内容、解約条件を比較しましょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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