カリウムとは?塩分を排出する栄養素の働きと多く含む食べ物・効果をわかりやすく解説

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「カリウムってよく聞くけれど、どんな働きがあるの?」
「塩分との関係や、何を食べれば摂れるのか知りたい」

このような疑問を持っていませんか?

カリウムは、体内の水分バランスを保つほか、神経や筋肉の働きにも関わる、私たちの体に欠かせないミネラルです。

ナトリウムとのバランスにも関わるため、塩分を摂りすぎやすい食生活や、血圧が気になり始める40代・50代にも知っておいてほしい栄養素のひとつです。

私は現役の保健体育教師として健康について伝えながら、パーソナルトレーナーとして大人の健康づくりをサポートしています。
この記事では、カリウムについて初心者にも分かりやすく解説します。

この記事でわかること
  • カリウムとはどんな栄養素なのか
  • カリウムの主な働き
  • カリウムと塩分(ナトリウム)の違い
  • 1日にどのくらい摂ればよいのか
  • カリウムを多く含む食べ物
  • 不足・摂りすぎで注意したいこと

まずは「どんな食品から摂れるのか」「普段の食事で何を意識すればよいのか」を知るところから始めていきましょう。


目次

カリウムとは?塩分を排出する重要なミネラル

カリウムとはどんな栄養素?

カリウムは、体の機能を正常に保つために必要な必須ミネラルの一つです。
体内では主に細胞の中に存在し、ナトリウムとバランスを取りながら、水分量や血圧、筋肉や神経の働きを調整しています。

私たちは毎日の食事から塩分(ナトリウム)を摂取していますが、日本人は塩分を摂りすぎる傾向があると言われています。味噌汁や漬物、ラーメン、加工食品など、身近な食品にも多くの塩分が含まれているため、知らないうちに摂取量が増えてしまうことも少なくありません。

そこで活躍するのがカリウムです。カリウムには、余分なナトリウムを尿として体外へ排出する働きがあり、塩分の摂りすぎによる体への負担を軽減する役割があります。

私がパーソナルトレーナーとして栄養指導していて、「タンパク質は意識していても、ミネラルまで意識している人は少ない」という印象です。
食生活が乱れたり、野菜不足が続いたりすると、十分な量を摂取できないこともあるため注意が必要です。

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なぜ塩分を排出できるの?

カリウムが塩分を排出できる理由は、ナトリウムとのバランスを保つ働きがあるためです。

ナトリウムは体に必要な栄養素ですが、摂りすぎると体内に水分をため込みやすくなります。その結果、血液量が増えて血圧が上がったり、むくみが起こったりする原因になります。

一方、カリウムは腎臓で余分なナトリウムの排出を促す働きがあります。つまり、体の中で増えすぎた塩分を尿と一緒に排出し、体内のバランスを整えてくれるのです。

例えば、ラーメンや丼物、加工食品など塩分が多い食事をした日は、野菜や果物を一緒に食べることがすすめられます。これは、野菜や果物に含まれるカリウムを摂ることで、ナトリウムとのバランスを取りやすくなるためです。

ただし、「塩分をたくさん摂ってもカリウムを摂れば大丈夫」というわけではありません。基本は塩分を摂りすぎないことが大切であり、カリウムはそのサポート役として考えることが重要です。

健康づくりでは、「○○だけを摂ればよい」という考え方ではなく、栄養バランスの取れた食事を続けることが、長期的な健康につながります。

塩分(ナトリウム)とカリウムの違い

ナトリウムとカリウムは、どちらも私たちの体に必要なミネラルです。

ただし、体内での役割や多く含まれる食品には違いがあります。

比較項目ナトリウムカリウム
主な役割体液量や浸透圧などの調整に関わる体液の浸透圧や神経・筋肉の働きなどに関わる
両者の関係カリウムとともに体内のバランスを保つナトリウムとのバランスに関わる
多く含む食品食塩、調味料、加工食品など野菜、果物、いも類、豆類など
食生活でのポイント摂りすぎに注意する食事から不足しないよう意識する

ここで大切なのは、「塩分=悪いもの、カリウム=良いもの」と単純に考えないことです。

ナトリウムもカリウムも体に必要な栄養素です。

ただし、現代の食生活では加工食品や外食などから塩分を多く摂りやすいため、減塩とあわせて野菜や果物などを取り入れることを意識しましょう。


40〜50代が特に意識したい理由

40〜50代になると、カリウムを意識する価値はさらに高まります。
その理由の一つが、生活習慣病のリスクが高まる年代だからです。

加齢とともに血圧が上がりやすくなり、健康診断で「血圧が高めですね」と指摘される方も少なくありません。また、運動不足や食生活の乱れ、外食や加工食品の利用が増えることで、塩分を摂りすぎる傾向も見られます。

さらに、デスクワークや立ち仕事が続くと、夕方には足がむくみやすくなることがあります。もちろん、むくみにはさまざまな原因がありますが、塩分の摂りすぎや水分バランスの乱れも一因です。

私が運動指導をしていても、「健康診断の結果をきっかけに食生活を見直したい」という40〜50代の方は多くいらっしゃいます。その際にまずお伝えしているのが、「塩分を減らすこと」「野菜や果物を増やすこと」です。

野菜や果物を増やすことで、カリウムだけでなく食物繊維やビタミンも一緒に摂取でき、栄養バランス全体の改善にもつながります。

また、運動を習慣にしている方にとっても、カリウムは筋肉や神経の正常な働きを支える重要な栄養素です。ウォーキングや筋力トレーニングなどを継続するためにも、日頃から意識して摂りたい栄養素と言えるでしょう。


カリウムの主な働き

カリウムには「塩分を排出する」以外にも、私たちの健康を支えるさまざまな働きがあります。
ここでは、特に知っておきたい4つの働きを紹介します。


余分なナトリウムを排出して血圧をサポートする

カリウムの代表的な働きが、余分なナトリウムを体外へ排出することです。

ナトリウムを摂りすぎると血液中の水分量が増え、血圧が高くなりやすくなります。一方で、カリウムを十分に摂ることでナトリウムの排出が促され、体内のバランスを整えやすくなります。

そのため、高血圧の予防や健康維持を考えるうえで、塩分を控えることと同じくらい、カリウムを含む食品を積極的に取り入れることも大切です。

ただし、高血圧の改善には、食事だけでなく適度な運動や十分な睡眠、体重管理なども欠かせません。カリウムは健康的な生活習慣を支える一つの要素として取り入れましょう。

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むくみ予防に役立つ

むくみは、体内の水分バランスが崩れることで起こります。

塩分を多く摂ると、体は塩分濃度を一定に保つために水分をため込もうとします。その結果、足や顔、手などがむくみやすくなります。
カリウムは余分なナトリウムと水分の排出を助けるため、むくみ対策にも役立つ栄養素です。

もちろん、むくみの原因は塩分だけではありません。運動不足や長時間同じ姿勢でいること、水分不足なども関係します。そのため、カリウムを摂るだけでなく、適度に体を動かし、水分をしっかり補給することも大切です。

私もデスクワークが続いた日は、意識して歩く時間を作るようにしています。栄養と運動を組み合わせることで、より健康的な体づくりにつながります。

筋肉や神経を正常に働かせる

カリウムは、筋肉や神経が正常に働くためにも欠かせない栄養素です。

私たちの体は、脳から送られる電気信号によって筋肉を動かしています。この電気信号をスムーズに伝えるためには、カリウムとナトリウムのバランスが重要です。

例えば、歩く、階段を上る、物を持つといった日常の動作はもちろん、ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動も、筋肉と神経が正常に働くことで初めて行えます。

カリウムが不足すると、筋肉がうまく収縮できず、足がつったり、筋力が低下したりすることがあります。また、疲れやすさや脱力感を感じる原因になる場合もあります。

私がパーソナルトレーナーとして指導している中でも、「運動中によく足がつる」という相談を受けることがあります。もちろん原因は一つではありませんが、水分不足や発汗によるミネラル不足が関係しているケースも少なくありません。

特に夏場や長時間の運動、重労働の仕事では汗とともにミネラルも失われれやすいです。水分だけでなく、食事からカリウムなどのミネラルを補給することが大切です。


体内の水分バランスを整える

私たちの体の約60%は水分でできています(大人の場合)。この水分量を一定に保つことも、カリウムの大切な役割です。

体内では、細胞の外側にナトリウム、内側にカリウムが多く存在し、お互いの濃度を調整しながら水分を適切に保っています。
このバランスが崩れると、

  • むくみ
  • 脱水
  • 筋肉のけいれん
  • 倦怠感

など、さまざまな不調が現れやすくなります。

特に40〜50代では、「水分はあまり飲まない」「のどが渇いてから飲む」という方も少なくありません。しかし、水分不足は血液が濃くなり、体温調節や代謝にも悪影響を及ぼします。

カリウムは十分な水分摂取と組み合わせることで、その働きをより発揮しやすくなります。
「野菜を食べる」「果物を食べる」「こまめに水を飲む」という基本的な習慣が、体内環境を整えることにつながります。

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「水分補給の基本|健康のために知っておきたい正しい飲み方」

カリウムは1日にどのくらい必要?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上のカリウム摂取量について、次の基準が示されています。

成人目安量目標量
男性2,500mg/日3,000mg/日以上
女性2,000mg/日2,600mg/日以上

「目安量」は一定の栄養状態を維持するのに十分な量を推定したものです。

一方の「目標量」は、生活習慣病の発症予防を目的として設定された量です。

令和5年国民健康・栄養調査では、20歳以上のカリウム平均摂取量は男性2,370mg/日、女性2,190mg/日でした。

平均値で見ると、男女とも生活習慣病予防のための目標量には届いていません。

だからといって、数字だけを見てサプリメントで補う必要はありません。

まずは野菜、果物、いも類、豆類など、カリウムを含む食品を普段の食事に取り入れることから考えてみましょう。


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カリウムが不足するとどうなる?

通常の食生活を送っている人では、極端なカリウム不足になることは多くありません。

しかし、食生活の偏りや大量の発汗、特定の病気や薬の影響などによって不足すると、さまざまな不調が現れることがあります。
ここでは、不足しやすい人の特徴や症状について見ていきましょう。


不足しやすい人の特徴

カリウム不足になりやすい人には、いくつか共通した特徴があります。
例えば、

  • 野菜や果物をあまり食べない
  • インスタント食品や外食が多い
  • 極端なダイエットをしている
  • 激しい運動で大量に汗をかく

といった方は注意が必要です。

特にダイエット中は、「ご飯だけ減らして野菜も減ってしまう」というケースがあります。
体重を減らすことばかりに意識が向くと、カリウムやビタミン、食物繊維なども不足しやすくなります。

私がトレーナーとしてダイエット指導を行う際も、「食べる量を減らす」だけでなく、「何を食べるか」を重視しています。

健康的に体づくりを行うためには、必要な栄養素をしっかり摂りながら、エネルギー量を調整することが大切です。


不足すると起こりやすい症状

カリウムが不足すると、次のような症状が現れることがあります。

  • 疲れやすい
  • 筋力低下
  • 足がつりやすい
  • 脱力感
  • 食欲不振
  • 不整脈(重度の場合)

初期症状は「なんとなく疲れやすい」「体に力が入らない」といった軽いものが多いため、加齢や疲労のせいだと思い込みやすいのも特徴です。

不足が進むと筋肉や心臓の働きにも影響を及ぼすため、放置しないことが重要です。
ただし、これらの症状はカリウム不足だけで起こるものではありません。気になる症状が続く場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。


運動習慣がある人が知っておきたいポイント

ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどの運動は健康づくりに欠かせません。
しかし、汗をかくことで水分だけでなく、カリウムなどのミネラルも失われます。

特に夏場や長時間の運動では、水だけを大量に飲むと体内のミネラルバランスが崩れることがあります。
普段から

  • 食事で野菜や果物を摂る
  • 水分をこまめに補給する
  • バランスの良い食事を心がける

これらを意識して、「運動だけ」「栄養だけ」ではなく、両方を組み合わせて考えるようにしましょう。


カリウムを多く含む食べ物

カリウムは特別な食品だけに含まれているわけではありません。

野菜をはじめ、果物、いも類、豆類、乳製品、肉や魚など、さまざまな食品から摂ることができます。

食品グループ取り入れやすい食品例
野菜ほうれん草、トマト、ブロッコリー、かぼちゃなど
果物バナナ、キウイフルーツ、みかんなど
いも類じゃがいも、さつまいも、里いもなど
豆類大豆、納豆など
その他牛乳・乳製品、肉、魚など

「カリウムが一番多い食品」を探すよりも、毎日の食事で野菜や果物などを継続して食べることを意識しましょう。

たとえば、

  • 朝食にバナナやキウイを加える
  • 昼食に野菜の副菜を1品追加する
  • 夕食にいも類や豆類を取り入れる

といった方法なら、普段の食事を大きく変えなくても実践できます。

40代・50代の健康づくりでも、特定の食品だけを大量に食べるより、いろいろな食品を組み合わせることをおすすめします。


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カリウムを普段の食事で摂る3つのコツ

野菜を毎食少しずつ取り入れる

一度に大量に食べようとせず、昼食・夕食に野菜料理を1品追加するなど、続けやすい方法を選びましょう。

果物を上手に活用する

バナナやキウイフルーツなどは調理せずに食べられるため、忙しい人でも取り入れやすい食品です。

特定の食品だけに偏らない

カリウムは野菜・果物だけでなく、いも類、豆類、乳製品、肉、魚などにも含まれています。

カリウムだけを意識するのではなく、食事全体のバランスを整えることが大切です。

食事全体を整える考え方については「健康的な食事とは?WHOの4原則」も参考にしてください。
「健康的な食事とは?WHOの4原則」

不足・摂りすぎ・注意点

通常の食事では過剰になりにくい

健康な腎臓が正常に働いている人であれば、食事から摂ったカリウムは余分な分が尿として排出されるため、過剰になることはほとんどありません。

そのため、「野菜や果物を食べ過ぎたからカリウムを摂りすぎた」と心配する必要は基本的にありません。
むしろ、日本人は野菜や果物の摂取量が不足している傾向があり、塩分の摂りすぎが問題となっています。

40〜50代では、仕事や家事が忙しくなることで外食や加工食品を利用する機会が増え、知らないうちに塩分が多くなってしまうことも少なくありません。

カリウムはサプリメントで補った方がいい?

健康な人であれば、まずは普段の食事からカリウムを摂ることを基本に考えましょう。

カリウムは野菜、果物、いも類、豆類など、さまざまな食品に含まれています。

一方で、腎機能が低下している人などでは、カリウムの排泄が十分にできず、血液中のカリウム濃度が高くなることがあります。

腎臓病などで治療中の方や、医師からカリウム摂取について指示を受けている方は、自己判断でカリウムを増やしたり、サプリメントを使用したりせず、医師や管理栄養士の指示を優先してください。


よくある質問(FAQ)

バナナだけ食べれば十分ですか?

いいえ。
バナナはカリウムを多く含む食品ですが、それだけで必要量を満たすことはできません。

野菜や果物、豆類、いも類、魚、肉など、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。

スポーツドリンクで補給できますか?

スポーツドリンクにはカリウムが含まれている商品もありますが、糖分も多く含まれるものがあります。

日常生活で軽い運動をする程度であれば、水分補給は水やお茶を基本とし、カリウムは食事から摂ることをおすすめします。

高血圧ならカリウムをたくさん摂れば改善しますか?

カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがありますが、それだけで血圧が改善するわけではありません。

塩分を控えること、適度な運動、十分な睡眠、適正体重の維持など、生活習慣全体を見直すことが大切です。

まとめ

カリウムは、体内の水分バランスを保つほか、神経や筋肉の働き、ナトリウムとのバランスにも関わる大切なミネラルです。

この記事のポイント
  • カリウムは人体に必要なミネラルのひとつ
  • 体液のバランスや神経・筋肉の働きに関わる
  • ナトリウムとのバランスも大切
  • 成人の目標量は男性3,000mg/日以上、女性2,600mg/日以上
  • 野菜、果物、いも類、豆類などさまざまな食品から摂れる
  • 基本はサプリメントではなく普段の食事から摂る
  • 腎機能が低下している人はカリウムの摂取に注意が必要

体育教師・パーソナルトレーナーとして健康づくりをサポートする中でも、「健康によい栄養素だから、たくさん摂ればよい」と考えないことは大切だと感じています。

カリウムだけに注目するのではなく、塩分を摂りすぎないことや、野菜・果物などを含めて食事全体を整えていきましょう。

まずは今日の食事に、野菜や果物を1品プラスするところから始めてみてください。

カリウムだけでなく、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、健康な体をつくる栄養の基本をまとめて知りたい方は「食と栄養の完全ガイド」を参考にしてください。
「食と栄養の完全ガイド」

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考にした公的機関・資料

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
  • 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」
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