「ダイエット中は低GI食品を選んだ方がよい」
「白米より玄米の方が太りにくい」
「低GIならたくさん食べても大丈夫」
このような情報を目にしたことはありませんか?
結論からお伝えすると、GI値は食品選びに役立つ指標ですが、GI値だけで「太りやすい食品」「健康によい食品」を判断することはできません。
同じ食品でも、品種や加工方法、調理方法によってGI値は変わります。また、実際の血糖値への影響は、食べる量や組み合わせによっても異なります。

そのため、ダイエットではGI値だけを見るのではなく、糖質の量、摂取カロリー、たんぱく質や野菜との組み合わせまで考えることが大切です。
この記事では、現役の保健体育教師・パーソナルトレーナーの視点から、GI値の基本とダイエットへの無理のない取り入れ方を解説します。
- GI値が示しているもの
- 低GI・中GI・高GIの違い
- GI値とGL、糖質量の違い
- GI値だけでは痩せない理由
- 毎日の食事に無理なく取り入れる方法
GI値とは?初心者にもわかりやすく解説
GI値とは血糖値の上がりやすさを示す指標
GI値とは「Glycemic Index(グリセミック・インデックス)」の略で、糖質を含む食品を食べた後の血糖値の上がり方を示す指標です。
一般的な測定では、一定量の利用可能炭水化物を含む食品を食べた後の血糖値の変化を、基準となるブドウ糖と比較します。
GI値は次の3段階に分類されます。
| GI値 | 分類 |
|---|---|
| 55以下 | 低GI |
| 56〜69 | 中GI |
| 70以上 | 高GI |
GI値が低い食品は、同じ量の糖質を含む高GI食品と比べて、食後血糖値の上昇が比較的穏やかな傾向があります。
GI値が付かない食品もある
GI値は、主に糖質を含む食品を評価するための指標です。
肉、魚、卵、油などは利用可能な炭水化物をほとんど含まないため、一般的な方法ではGI値を測定できません。
そのため、卵や鶏肉を「GI値が0の食品」と考えるより、「GI値による評価の対象になりにくい食品」と理解する方が正確です。
野菜やナッツ類についても、糖質量が少なく、GI値の測定に適さないものがあります。
GI値とGLは何が違う?
GI値とあわせて知っておきたいのが、GL(グリセミック負荷)です。
GI値は、糖質の「血糖値を上げる速さや程度」を示します。一方、GLは実際に食べる量に含まれる糖質まで考慮した指標です。
GLは、次の式で計算されます。
GL=GI値×1食分に含まれる利用可能炭水化物量÷100
つまり、GI値が高い食品でも、1回に食べる糖質量が少なければGLは低くなることがあります。反対に、低GI食品でも量を多く食べれば、食後血糖値への影響は大きくなります。
GI値だけでなく、食べる量まで考えることが実際の食生活では重要です。
GI値をダイエットにどう活かす?
GI値は食品選びのヒントになる
糖質を含む食品を食べると血糖値が上昇し、それに応じてインスリンが分泌されます。
インスリンには血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませ、血糖値を調整する大切な役割があります。
ただし、「高GI食品を食べると、すぐに体脂肪へ変わる」と考えるのは単純化しすぎです。
体重の変化には、1日を通した摂取エネルギー、食事の栄養バランス、活動量、睡眠、食習慣の継続などが関係します。
低GI食品だけでは痩せない
低GI食品を取り入れることは、食後血糖値を意識した食品選びの一つです。しかし、低GI食品を選ぶだけで必ず痩せるわけではありません。
2023年のコクランレビューでは、低GI・低GL食とほかの食事法を比較した結果、体重減少にはほとんど差がない可能性が示されています。
例えば、ナッツやチーズは血糖値への影響が小さい食品ですが、脂質とエネルギーを多く含みます。食べ過ぎれば、ダイエットの妨げになる可能性があります。
一方、白米などGI値が高めの食品も、食べる量を調整し、魚、肉、大豆製品、野菜などと組み合わせれば、ダイエット中でも取り入れられます。
GI値は「痩せる食品を決める数値」ではなく、食事全体を整えるための判断材料として使いましょう。
低GI・高GI食品は数値より傾向を確認しよう
GI値は、食品の品種、産地、加工方法、調理方法、熟し方などによって変わります。
そのため、すべての食品に一つの数値を当てはめるのではなく、次のような傾向を食品選びの参考にしましょう。
| 食品・食品群 | GI値の傾向と注意点 |
|---|---|
| 白いパン、コーンフレーク、餅 | 高GIになりやすい |
| 白米、玄米、そば | 品種、配合、加工方法、調理条件による差が大きい |
| 豆類、パスタ | 比較的低GIになりやすい |
| オートミール | 加工度や商品によってGI値が異なる |
| 果物 | 種類、熟し方、食べる量によって異なる。ジュースより果物そのものを選ぶ |
| 菓子類 | GI値が低くても、砂糖・脂質・エネルギーが多い商品がある |
| 肉、魚、卵、油 | 糖質が非常に少なく、一般的な方法ではGI値を測定できない |
| 葉物野菜、きのこ類 | 糖質量が少ないため、GI値より食物繊維や栄養価を確認する |
GI値の一覧を見るときは、出典と測定条件が明記されているかを確認してください。
また、低GI食品であっても食べ過ぎれば摂取エネルギーが増えます。「低GIだから安心」と考えず、量と食事全体のバランスを優先しましょう。
GI値だけに頼らず、食後血糖値を意識する食べ方
食品そのもののGI値は、食べる順番によって変わるわけではありません。
一方、食べる量や組み合わせ、食べる順番を工夫することで、食後血糖値の上昇を穏やかにできる可能性があります。
意識したいポイントは次の4つです。
- 主食の量を自分に合った範囲にする
- 主食だけで済ませず、肉、魚、卵、大豆製品などを組み合わせる
- 野菜、海藻、きのこ類などから食物繊維を摂る
- 急いで食べず、食べ過ぎを防ぐ
例えば、白米を完全に避ける必要はありません。
白米だけで食事を済ませるのではなく、焼き魚、豆腐、野菜、汁物などを組み合わせる方が、栄養バランスを整えやすくなります。
コンビニでは低GI食品より組み合わせを意識しよう
コンビニで食事を選ぶときも、GI値だけで商品を判断する必要はありません。
主食、たんぱく質を含む食品、野菜や汁物を組み合わせることを意識しましょう。
例えば、次のような組み合わせがあります。
- おにぎり+焼き魚やゆで卵+サラダ
- そば+豆腐や卵+海藻サラダ
- 無糖ヨーグルト+果物+適量のナッツ
- 弁当+追加の野菜スープ
菓子パンと甘い飲み物だけで済ませるよりも、食品数を増やして栄養バランスを整えることが大切です。
40〜50代がGI値を意識するときの注意点
GI値だけで健康度を判断しない
低GIであっても、脂質、砂糖、塩分、摂取エネルギーが多い食品があります。
食品を選ぶときは、GI値だけでなく、食べる量、栄養成分、食事全体のバランスまで確認しましょう。
糖質を極端に避けない
血糖値が気になるからといって、ご飯やパンなどをすべて避ける必要はありません。
糖質を完全に抜くのではなく、量を調整したり、主菜や副菜を組み合わせたりする方が続けやすくなります。
血糖値を指摘されている人は自己判断だけで調整しない
健康診断で血糖値やHbA1cを指摘されている方、糖尿病の治療中の方、血糖値を下げる薬を使用している方は、この記事だけを参考に食事や薬を変更しないでください。
体育教師×パーソナルトレーナーが伝えたいGI値との付き合い方



体育教師・パーソナルトレーナーとしてお伝えしたいのは、GI値を「食べてはいけない食品を決める数値」にしないことです。
白米やパンなどの高GIになりやすい食品も、量や組み合わせ、食べる頻度を調整すれば取り入れられます。
反対に、低GI食品でも食べ過ぎれば、摂取エネルギーが増えてしまいます。
まずは、次の中から一つだけ試してみてください。
- 主食だけの食事に、たんぱく質を含む食品を加える
- 白米の一部を玄米や大麦に置き換える
- 甘い飲み物を水やお茶に変える
- 間食の量と回数を確認する
食事は毎日のことです。毎回100点を目指してストレスをためるよりも、60〜80点くらいの食事を無理なく続けることを大切にしましょう。
GI値についてよくある質問
まとめ
GI値とは、糖質を含む食品を食べた後の血糖値の上がり方を示す指標です。
低GI食品を取り入れることは、食後血糖値を意識した食品選びの一つですが、GI値だけで太りやすさや健康度を判断することはできません。
GI値を活用するときは、次の点も一緒に確認しましょう。
- 1回に食べる量
- GLや糖質量
- 摂取エネルギー
- たんぱく質や野菜との組み合わせ
- 無理なく続けられるか
高GI食品をすべて避けるのではなく、まずは主食の量や食事の組み合わせを一つ見直すことから始めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考にした公的機関・論文
- Glycemic Index Research Service|GIに関するFAQ
- International Tables of Glycemic Index and Glycemic Load Values 2021
- Glycemic Index, Glycemic Load and Glycemic Response|国際科学コンセンサス
- Cochrane|低GI・低GL食と減量に関するシステマティックレビュー


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