「野菜を食べているのに、食物繊維は足りているの?」
「便秘が気になる。水溶性と不溶性はどちらを摂ればいい?」
「40代・50代は、1日に何gを目指せばいい?」
結論からいうと、40代・50代の目標量は、男性22g以上、女性18g以上です。
ところが、2024年の国民健康・栄養調査では、食物繊維摂取量の年代平均は40〜49歳で16.9g、50〜59歳で17.8gでした(いずれも男女計)。個人差はありますが、野菜だけで埋めようとせず、主食・豆・きのこ・果物を組み合わせることが現実的です。

最初から「毎日必ず22gを摂らなきゃ」と焦る必要はありません。
まずは「主食を1回替える」か「納豆・果物・きのこを1品足す」ことで、今より約3g増やすところから始めましょう(^^)
この記事では、2025年版「日本人の食事摂取基準」と公的資料をもとに、食物繊維の基本、多い食品、1日の食事例、増やす際の注意点を解説します。
- 食物繊維の定義と、水溶性・不溶性の違い
- 40代・50代の1日の目標量と、現在の摂取状況
- 食品1食分に含まれる食物繊維のおおよその量
- 約23.5gを摂る1日の組み立て方
- 便秘・お腹の張り・サプリに関する注意点
食物繊維とは?消化されにくく、大腸まで届く成分
食物繊維は、ヒトの消化酵素では消化されにくい、食べ物に含まれる成分の総称です。
2025年版の食事摂取基準では「難消化性炭水化物」と説明されています。小腸で消化・吸収されにくく、大腸まで届くため、しばしば「第6の栄養素」と呼ばれます。
すべてが同じ働きをするわけではありません。水に溶けやすいもの、溶けにくいもの、腸内細菌に発酵されやすいものなど、性質はさまざまです。
40代・50代は食物繊維を1日に何g摂ればいい?
| 年代 | 男性の目標量 | 女性の目標量 |
| 40〜49歳 | 22g以上/日 | 18g以上/日 |
| 50〜59歳 | 22g以上/日 | 18g以上/日 |
目標量は、生活習慣病の発症予防を目的に「当面目標とする摂取量」であり、毎日1g単位で達成できなければ失敗という意味ではありません。数日〜1週間の平均で近づける考え方で十分です。
同省の資料では、成人の理想的な摂取量は1日25g以上と考えられる一方、日本人の現在の摂取状況を踏まえて、実行可能性のある目標量が設定されています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い
| 種類 | 主な特徴 | 多く含む食品の例 | 注意点 |
| 水溶性 | 水に溶けて粘性を示すものや、腸内細菌に利用されやすいものがある | 大麦、オートミール、海藻、果物、豆類 | 急に増やすとガスや張りが出ることがある |
| 不溶性 | 水に溶けにくく、便のかさを増やす助けになる | 全粒穀物、豆類、ごぼう、きのこ、野菜 | 便秘の原因によっては、増やしすぎで張りや不快感が強くなることがある |
「水溶性:不溶性=1:2が理想」と紹介されることがありますが、2025年版の食事摂取基準には、種類別の目標量や公式な比率は設定されていません。
食物繊維に期待できる4つのこと
1. 排便を整える助けになる
食物繊維には、便のかさを増やすもの、水分を抱え込むもの、腸内細菌に発酵されるものがあります。
適切な種類と量を摂ることで、排便回数や便の状態の改善を助ける可能性があります。
ただし、便秘の原因は、食事量の不足、運動不足、薬、過敏性腸症候群、排便機能の問題などさまざまです。「食物繊維を増やせば必ず治る」とは限りません。
2. 食後血糖値の急上昇を抑える食べ方に役立つ
粘性のある水溶性食物繊維を含む食品は、胃から腸への移動や糖質の消化・吸収を緩やかにする方向に働くことがあります。
3. 血中コレステロールの管理を支える
大麦のβ-グルカンなど、粘性を持つ一部の食物繊維は、胆汁酸の排泄などを通じて血中コレステロールの管理を支えることが示されています。
4. 長期的な生活習慣病リスクの低下と関連する
系統的レビューでは、食物繊維や全粒穀物を多く摂る食生活は、少ない食生活に比べ、心血管疾患、2型糖尿病、大腸がんなどのリスクが低いことと関連していました。
研究では1日25〜29g付近で大きなリスク低下が観察されていますが、これは特定の商品による効果を保証するものではありません。
食物繊維が多い食品|普段の1食分で比較
「100g当たり」だけでは実際の食事量が分かりにくいため、普段食べる量に換算しました。数値は食品成分データベース等をもとにした概算で、品種、商品、加熱、可食部によって変わります。包装食品は栄養成分表示を優先してください。
| 食品 | 目安量 | 食物繊維(概算) | 取り入れ方 |
| ブロッコリー(生・可食部) | 100g | 5.1g | 主菜の付け合わせ、スープ |
| ライ麦パン | 60g | 3.4g | 朝の白いパンと置き換え |
| ごぼう(生) | 50g | 2.9g | きんぴら、汁物 |
| さつまいも(皮つき・生) | 100g | 2.8g | 間食、主食の一部 |
| 納豆 | 40g | 2.7g | ご飯に1パック |
| 発芽玄米ご飯 | 150g | 2.7g | 白米の一部または全部と置換 |
| 切り干し大根(乾) | 10g | 2.1g | 煮物、サラダ |
| えのきたけ(生) | 50g | 2.0g | みそ汁、炒め物 |
| りんご(皮つき) | 100g | 1.9g | 朝食、間食 |
「まごわやさしい」の注意
バランスのよい食事を考える合言葉としては便利ですが、「さ」は魚で、魚そのものには食物繊維がほぼ含まれません。食物繊維を増やす目的では、穀類・豆・野菜・きのこ・海藻・果物を具体的に確認しましょう。
食物繊維約23.5gを摂る1日の食事例
次は、食品表の概算値を組み合わせたモデルです。たんぱく質源や調味料は別に添え、食物繊維量だけを試算しています。
| 食事 | 組み合わせ例 | 食物繊維 |
| 朝食 | ライ麦パン60g+りんご(皮つき)100g+卵またはヨーグルト | 約5.3g |
| 昼食 | 発芽玄米ご飯150g+ブロッコリー100g+えのき50g+魚または鶏肉 | 約9.8g |
| 夕食 | 納豆40g+ごぼう50g+さつまいも100g+主菜 | 約8.4g |
| 合計 | — | 約23.5g |
今日から食物繊維を増やす5ステップ
主食、豆、野菜、きのこ、海藻、果物が毎日どの程度あるかを確認します。g計算より「抜けている食品群」を見つけるのが先です。
白いパンをライ麦・全粒粉パンへ、白米の一部を麦や発芽玄米へ替えます。野菜を大量に増やすより続けやすい方法です。
納豆、きのこのみそ汁、海藻サラダ、皮つき果物など、調理負担が少ないものを選びます。
おにぎりや麺だけで終わらせず、豆入りサラダ、具だくさんスープ、海藻小鉢、果物のどれかを追加します。塩分表示も確認しましょう。
お腹の張りや便の変化を見ながら少しずつ増やします。飲水制限がなければ、食事とともに水分もこまめに摂ります。
食物繊維を増やすときの注意点
- 急に増やしすぎない
ガス、腹部膨満、腹痛、下痢、かえって便が出にくいといった不調が出ることがあります。いったん量を戻し、少量から再調整してください。 - 便秘を自己判断で長く放置しない
血便・黒い便、強い腹痛、嘔吐、発熱、意図しない体重減少、急な便通変化が続く場合は、早めに医療機関へ相談してください。 - 持病・薬・食事制限を優先する
腸の病気、手術歴、腎臓・心臓の病気、飲水制限がある方、服薬中の方は、医師・管理栄養士・薬剤師に確認してください。 - サプリは食品の代わりではない
まず食事を整え、使う場合は表示量を守ります。複数製品の重複や、薬との飲み合わせにも注意してください。
体育教師・パーソナルトレーナーとしての結論



私が体育教師・パーソナルトレーナーとして大切にしているのは、「正しい量を知ること」と同じくらい「続く仕組みを作ること」です。
22gという数字だけを見て、急に野菜を山盛りにする必要はありません。
まずは、次の食事で1つだけ選んでください。
○白米の一部を麦・発芽玄米に替える
○納豆を1パック足す
○みそ汁にきのこを足す
○間食を皮つきの果物に替える
毎日100点を狙うより、60〜80点を長く続ける方が、食生活は整いやすくなります。
お腹の調子を見ながら「まず+3g」を1〜2週間続け、その後に次の1品を考えましょう(^^)
よくある質問
まとめ|まずは次の食事で+3gを目指そう
- 40代・50代の目標量は、男性22g以上、女性18g以上。
- 水溶性・不溶性の公式な目標比率はない。複数の食品群を組み合わせる。
- 主食の置き換え、納豆、きのこ、果物なら約2〜3gを足しやすい。
- 急に増やさず、お腹の状態を見ながら1〜2週間かけて調整する。
- 便秘の悪化や警告症状がある場合は、自己判断で続けず受診する。



次の食事で「主食を1回替える」または「納豆・きのこ・果物を1品足す」のどちらかを実行してください。できたら、その1つだけを1週間続けてみましょう。
食物繊維は、たくさん摂れば摂るほどよいものではありません。自分のお腹の状態に合わせ、続けられる食事の形を作っていきましょう(^^)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考にした公的機関・論文
本文は以下の資料を2026年8月7日に確認し、一般向けに要約しています。
• 厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版) — 食物繊維の目標量
• 厚生労働省 e-ヘルスネット|食物繊維 — 定義・健康との関連
• 厚生労働省 e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康 — 摂取状況・増やし方
• 厚生労働省|令和6年国民健康・栄養調査報告 — 年代別摂取量
• 文部科学省|食品成分データベース — 食品の食物繊維量
• 消費者庁|健康食品 — サプリ・健康食品の注意
• Reynolds et al., Lancet (2019)|Carbohydrate quality and human health — 食物繊維と長期健康アウトカムの系統的レビュー
• Yang et al. (2022)|Fiber supplementation and chronic constipation — 便秘への介入研究の系統的レビュー
• Minds|便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症 — 便秘の診療上の注意た!


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