高血圧の運動は何がいい?ウォーキングと筋トレの効果・始め方を解説

スポンサーリンク
スポンサーリンク

健康診断で「血圧が高めですね」と言われて、

「運動した方がいいのは分かるけど、何をすればいい?」
「血圧が高いなら、とりあえずウォーキング?」
「筋トレをすると血圧が上がりそうで心配……」

と感じている方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、高血圧の運動はウォーキングだけではありません。

ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、現在は筋力トレーニング(レジスタンス運動)も高血圧の運動療法の選択肢として推奨されています。

2026年9月14日に『Hypertension Research』で公開された「Exercise for prevention and treatment of hypertension」でも、日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」や最新研究をもとに、高血圧の予防・治療における運動の重要性が改めて整理されました。

大切なのは、自分の血圧、体力、病気の有無などを確認したうえで、有酸素運動と筋トレを無理なく取り入れていくことが大切です。

この記事では、体育教師・パーソナルトレーナーの視点から、高血圧の人におすすめされる運動と、安全に始めるためのポイントを40代・50代の運動初心者にも分かりやすく解説します。

※この記事は一般的な健康情報を提供するもので、個別の診断・治療を目的としたものではありません。高血圧で治療中の方、血圧が非常に高い方、心臓や血管などの病気がある方は、運動を始める前に主治医へ相談してください。

この記事で分かること
  • 高血圧にはどのような運動がすすめられているのか
  • ウォーキングと筋トレの降圧効果
  • 高血圧でも筋トレをしてよいのか
  • 運動初心者向けの強度・頻度の考え方
  • 高血圧の人が運動するときの注意点
  • 40代・50代が今日から始められる運動方法
目次

高血圧の運動はウォーキングだけでなく筋トレも選択肢

高血圧の運動というと、「まずはウォーキング」というイメージを持っている方も多いと思います。

もちろん、ウォーキングは現在でも取り入れやすく、おすすめできる運動の一つです。

しかし、現在は有酸素運動だけが選択肢ではありません。

日本高血圧学会のJSH2025では、運動について「軽度〜中等度の有酸素持久性運動を毎日30分以上行う」ことに加えて、レジスタンス運動も有効としています。

さらに、高血圧患者を対象とした84件のランダム化比較試験(RCT)、合計5,065人を解析したメタアナリシスでは、運動をしない場合と比較して、運動によって平均で、

・収縮期血圧:−7.52mmHg
・拡張期血圧:−4.36mmHg

の低下が認められました。

そして注目したいのが、

・有酸素運動
・動的レジスタンス運動
・等尺性レジスタンス運動
・有酸素運動と筋トレなどを組み合わせた運動

の間で、降圧効果に統計学的な有意差が認められなかったことです。

つまり、「高血圧ならウォーキングしかできない」わけではありません。

自分の健康状態や体力に合わせて、有酸素運動、筋トレ、あるいは両方を組み合わせるという選択肢があります。

高血圧に運動がすすめられる理由

高血圧対策というと、塩分を控えることや体重管理などが思い浮かぶかもしれません。

これらはもちろん重要ですが、運動も生活習慣改善の大切な柱です。

JSH2025では、高血圧の予防・治療において、

・減塩
・適切な食生活
・適正体重の維持
・運動
・節酒
・禁煙

などの生活習慣改善が重要とされています。

運動は血圧だけを目的に行うものではありません。
運動を続けることは、体力や筋力を維持し、日常生活を活動的に過ごすためにも役立ちます。

特に40代・50代では、「血圧のために歩く」だけで終わらせるのではなく、
「10年後、20年後も自分の足で動ける体をつくる」
という視点を持つことも大切です。

血圧対策と一生動ける体づくりを同時に考えるなら、有酸素運動と筋トレの両方を無理のない範囲で取り入れる方法は、検討する価値があります。

スポンサーリンク

高血圧にはどんな運動がいい?

ここからは、具体的な運動方法を見ていきましょう。

①ウォーキングなどの有酸素運動

まず取り入れやすいのが有酸素運動です。

例えば、

・ウォーキング
・自転車
・軽いジョギング
・水泳
・エアロビクス

などがあります。

JSH2025では、有酸素運動は軽度〜中等度の強度が基本とされています。

目安となる自覚的運動強度(RPE)は「楽である〜ややきつい」に相当する11〜13程度です。

「少し息は弾むけれど、会話はできる」くらいを一つの目安にすると分かりやすいでしょう。
時間については、JSH2025では有酸素運動を1日30分以上行うことが推奨されています。

ただし、今までほとんど運動していなかった方が、初日から毎日30分歩かなければいけないわけではありません。

まずは、

「夕食後に10分歩く」
「休日に近所を15分散歩する」
「買い物を徒歩に変える」

など、続けられる量から始めて構いません。

ウォーキングの効果や歩き方について詳しく知りたい方は、【ウォーキング完全ガイド】も参考にしてください。

②スクワットなどの筋力トレーニング

高血圧の運動として、現在注目したいのが筋力トレーニングです。
JSH2025では、レジスタンス運動について有酸素運動と同程度の降圧効果があるとして、高血圧の運動療法として強く推奨しています。

例えば、

・スクワット
・腕立て伏せ
・ローイング系の運動
・カーフレイズ
・トレーニングチューブを使った運動

などが選択肢になります。

「血圧が高いのに筋トレをして大丈夫?」と思うかもしれません。

確かに、重い重量を持って強く息をこらえるような筋トレは、運動中の血圧を大きく上昇させる可能性があります。
しかし、「筋トレそのものが禁止」という意味ではありません。

JSH2025では、筋トレの強度はおおむね40〜60%1RMが示され、導入時には30%1RM程度、またはRPE12未満から始めることも推奨されています。
1RMとは「1回だけ持ち上げられる最大重量」のことです。

最初は、

・正しいフォームで行える
・息を止めずに動ける
・限界まで追い込まない
・終わったときにまだ少し余裕がある

程度の負荷から始める方が実践的です。

高血圧と筋トレについて詳しく知りたい方は、【高血圧でも筋トレはできる?】で安全面も含めて詳しく解説しています。

③有酸素運動+筋トレ

「結局、ウォーキングと筋トレのどちらをやればいいの?」

と迷ったら、どちらか一つに決める必要はありません。

JSH2025では、有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせた運動も選択肢として示されています。

例えば、

  • ウォーキング+スクワット
  • ウォーキング+チューブトレーニング
  • 自転車+自宅筋トレ

といった組み合わせです。

高血圧のためだけでなく、一生動ける体づくりという視点から考えても、有酸素運動と筋トレにはそれぞれ違った役割があります。
有酸素運動で体を動かす習慣をつくりながら、筋トレで筋力を維持する。

40代・50代からの健康づくりでは、このように一つの運動だけに偏らないことも大切です。

40代・50代初心者が始めるなら?

ここまで読んで、「ウォーキングも筋トレもやらないといけないの?」と思った方もいるかもしれません。

最初から完璧に行う必要はありません。

体育教師・パーソナルトレーナーとして、運動習慣のない40代・50代なら、まずは「安全に続けられること」を優先してほしいと考えています。

例えば、健康状態に問題がなく運動を始めてもよい方なら、次のような方法から始められます。

初心者向けの一例

【ウォーキング】

10〜20分
↓
慣れてきたら少しずつ時間を延ばす

【筋トレ】

椅子スクワット:8〜12回
壁・台を使った腕立て伏せ:8〜12回
チューブローイングなど:8〜12回

各1セット程度からスタート。

まずは週2日程度から始め、体調や運動後の反応を確認しながら調整します。

これは「全員がこのメニューを行えば血圧が下がる」という意味ではなく、運動初心者が体を動かす習慣をつくるための一例です。

JSH2025に示される運動処方はもう少し多い運動量を含みますが、今まで運動していなかった人が最初から目標量をすべて達成しようとすると、続かないこともあります。

まずは小さく始める。慣れてきたら少し増やす。
そして最終的に、自分に合った運動習慣をつくっていきましょう。

器具を使わず自宅で始めたい方は、【自宅でできる筋トレ5選】も参考にしてください。

スポンサーリンク

高血圧の人が運動するときの注意点

高血圧に運動がすすめられているからといって、誰でも同じように運動してよいわけではありません。

ここは非常に重要です。

①血圧が非常に高い場合は運動より血圧管理を優先する

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、診察室血圧180/110mmHg以上、家庭血圧160/100mmHg以上の場合、まず血圧をコントロールすることが示されています。

また、JSH2025でも血圧の程度や脳・心血管疾患の有無などに応じて、運動前の確認や血圧コントロールが必要とされています。

「運動すれば血圧が下がるから」と自己判断で激しい運動を始めないようにしましょう。

家庭での血圧記録を始めたいけれど、まだ血圧計を持っていない方は、自宅で使いやすい血圧計の選び方と7機種の比較も参考にしてください。操作や記録のしやすさから、生活に合う機種を比較できます。

②筋トレ中に強く息を止めない

高血圧の人が筋トレするときに特に注意したいのが、強い息こらえです。

重い物を持ち上げるときに、
「うっ!」
と息を止めて力むような状態は、血圧を急激に上昇させる可能性があります。

筋トレ中は、
「力を入れるときに息を吐く」
ことを意識しましょう。

初心者ほど正しいフォームと呼吸を維持できる負荷を優先してください。

③いきなり高強度の運動をしない

JSH2025では、高強度の運動では運動中に血圧が大きく上昇するため注意が必要とされています。

久しぶりに運動する40代・50代が、
「昔はこれくらいできたから」
と、いきなり若い頃と同じ強度で運動するのは避けましょう。

現在の体力に合わせて始めることが大切です。

④薬を飲んでいる人は心拍数だけで判断しない

高血圧の治療薬の中には、運動時の心拍数に影響するものがあります。

特にβ遮断薬を使用している場合、運動しても心拍数が上がりにくくなることがあります。

そのため、「心拍数が低いから、もっと頑張れる」と判断するのは適切ではない場合があります。

心拍数だけではなく、
「楽」
「ややきつい」
「かなりきつい」
といった自覚的な運動強度(RPE)も参考にしましょう。

治療中の場合は、自分に適した運動強度を主治医などに確認しておくと安心です。

⑤体調がおかしいときは無理をしない

運動中に、

  • 胸の痛み
  • 強い息苦しさ
  • めまい
  • ふらつき
  • 普段と違う強い頭痛
  • 動悸などの異常

を感じた場合は、無理に運動を続けないでください。

「健康のためだから」と頑張りすぎる必要はありません。
運動は、安全に継続できてこそ健康づくりにつながります。

高血圧と運動についてよくある質問

高血圧なら毎日ウォーキングした方がいいですか?

JSH2025では、軽度〜中等度の有酸素運動を1日30分以上行うことが推奨されています。

ただし、運動習慣がない人がいきなり毎日30分歩く必要はありません。

まずは10分程度から始め、体調を確認しながら徐々に増やしていく方法でもよいでしょう。

日常生活の中で歩く時間を増やすことも立派な身体活動です。

高血圧でもスクワットをして大丈夫ですか?

スクワットなどの動的レジスタンス運動も、高血圧の運動療法の選択肢です。

ただし、高重量で限界まで行ったり、強く息を止めたりする方法は避けましょう。

また、血圧が非常に高い場合や心血管疾患などがある場合は、自己判断で始めず医師に相談してください。

ウォーキングと筋トレはどちらが血圧を下げますか?

高血圧患者5,065人を対象とした84件のRCTのメタアナリシスでは、有酸素運動、動的レジスタンス運動、等尺性レジスタンス運動、複合運動の間で、降圧効果に有意な違いは認められませんでした。

そのため、

「血圧を下げるなら絶対にウォーキング」
「筋トレの方が優れている」

と単純に考える必要はありません。

健康状態、体力、好み、続けやすさなどを考え、自分に合った運動を選ぶことが大切です。

体育教師×トレーナーとしての結論

高血圧だからといって、

「運動はウォーキングだけ」
「筋トレは危険だからやらない」

と考える必要はありません。

現在は、有酸素運動だけでなくレジスタンス運動にも降圧効果が認められ、高血圧の運動療法として推奨されています。

だからこそ、私が40代・50代の運動初心者に伝えたいのは、
「何が一番血圧を下げるのか」だけを考えるのではなく、「自分が安全に続けられる運動は何か」という視点も持ってほしいということです。

健康状態に問題がなければ、

  • まず10〜20分歩いてみる
  • 週2日程度、軽い筋トレを取り入れてみる
  • 慣れてきたら少しずつ運動量を増やす

このような小さな一歩からでも構いません。

ウォーキングと筋トレをうまく組み合わせながら、血圧管理だけでなく、10年後、20年後も自分の足で好きなことを楽しめる「一生動ける体」をつくっていきましょう(^^)

自宅で筋トレを始めたいけれど「何をすればいいか分からない」という方は、【自宅でできる筋トレ5選】から始めてみてください。

トレーニングチューブやマットなどを使って自宅の運動環境を整えたい方は、【40代・50代向け家トレグッズ7選】も参考にしてください。

私が普段使用している健康用品やトレーニング用品は、【Amazonストアフロント】にもまとめています。必要なものがある方だけ、運動を続けるための道具選びに活用してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考にした公的機関・論文

・日本高血圧学会「The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension 2025(JSH2025)」

・Naito R. Exercise for prevention and treatment of hypertension. Hypertension Research. 2026. Published September 14, 2026.

・Morita H, et al. Resistance exercise has an antihypertensive effect comparable to that of aerobic exercise in hypertensive patients: a meta-analysis of randomized controlled trials. Hypertension Research. 2025;48:733–743.

・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

スポンサーリンク
シェアしていただけると嬉しいです!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次