はじめに

体育教師×スポーツトレーナーのしゅんせいです。
この記事では
- 「血液って、なにをしているの?」
- 「健康診断の結果を見るけど、血液の項目がよくかわからない」
という悩みを抱えている人の為に、体育教師×トレーナーの視点から、わかりやすく解説します。
血液のことを知ると、健康診断の数値や日々の体調変化が、ぐっと理解しやすくなります。
この記事を読んでいただくと
- 血液の基本的な役割
- 血液の成分と働き
- 健康管理に血液が重要な理由
が、理解できます。
血液の基本
血液の役割
血液は、体の中を流れる「運ぶ・守る・整える」存在です。
主な役割は次の3つです。
- 酸素や栄養を全身に運ぶ
- 二酸化炭素や老廃物を回収する
- 体を病気や異物から守る



それぞれ詳しく見ていきましょう
酸素や栄養を全身に運ぶ
- 酸素の運搬
赤血球内のヘモグロビンが酸素と結合し、全身の細胞へ届けます。 - 栄養素の運搬
消化された栄養素(糖質、脂質など)は、血しょうが腸で吸収し、心臓のポンプ機能で全身の細胞へと運ばれます。
二酸化炭素や老廃物を回収する
血液は毛細血管を通じて全身の細胞から二酸化炭素や老廃物を回収し、静脈を通って心臓へ戻ります。
回収された二酸化炭素は肺で排出され、老廃物は主に腎臓でろ過され尿として排出されます。



老廃物の回収をもっと詳しく知りたい方は、下記の「+」を押すと詳しい説明が出てきます。
- 動脈から毛細血管へ
心臓から送り出された血液は動脈を通って全身に運ばれます。毛細血管では、血液中の酸素や栄養素を細胞に渡し、代わりに細胞から出た二酸化炭素や老廃物を受け取ります。 - 毛細血管から静脈へ
老廃物を含んだ血液は、静脈側毛細血管を経て静脈に集まります。 - 静脈から心臓へ
静脈を通って心臓に戻り、肺(二酸化炭素排出)や腎臓(老廃物処理)など、不要なものを排出する器官へ送られます。 - 回収された老廃物の行き先
・二酸化炭素:肺でガス交換され、呼気として体外へ排出されます。
・老廃物(尿素など):腎臓でろ過され、尿として体外へ排出されます。
体を病気や異物から守る
血液は、白血球と呼ばれる細胞を中心に、体を病原体や異物から守る「免疫」機能を担っています。血液が体内を循環することで、免疫細胞が全身をパトロールし、外敵を素早く見つけて対処しています。



防御機能がどんな成分でできているかもっと詳しく知りたい方は、下記の「+」を押すと詳しい説明が出てきます。
白血球(防御機能)の種類と役割
- 好中球(こうちゅうきゅう)
体内に侵入した細菌や真菌(カビ)などの病原体を直接取り込んで消化・殺菌する「貪食(どんしょく)」作用を持ちます。 - 単球(たんきゅう)
血液中から組織に入り込み、マクロファージと呼ばれる細胞になります。異物を貪食するだけでなく、その情報を他の免疫細胞(T細胞など)に伝える「抗原提示(こうげんていじ)」という重要な役割も果たします。 - リンパ球(りんぱきゅう)
細菌やウイルスなどの特定の異物に対して、協力して無害化する働きをします。Bリンパ球は抗体を作って異物を攻撃し、Tリンパ球は感染した細胞を破壊したり、免疫反応の司令塔となったりします。 - 好酸球(こうさんきゅう)・好塩基球(こうえんきゅう)
主にアレルギー反応や寄生虫への防御に関与しています。
血液の成分
今度は血液の成分について解説します。



ここの内容は少し専門的になりますので、次の内容まで読み飛ばしてOKです(^^)
血液は主に4つの成分でできています。
- 赤血球(酸素運搬)
- 白血球(生体防御)
- 血小板(止血)
- 血漿(けっしょう)(栄養運搬・老廃物排出)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
赤血球
血液の細胞成分の約96%を占めている赤血球(せっけっきゅう)は、血液の赤い色のもとで、ヘモグロビンというタンパク質を含み、肺で取り込んだ酸素を全身の組織に運び、組織でできた二酸化炭素を肺へ回収する酸素運搬の主役です。
核を持たない円盤状の細胞で、狭い毛細血管でも形を変えて通過でき、寿命は約120日です。
白血球
白血球(はっけっきゅう)は、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る免疫機能を担う細胞で、好中球・好酸球・好塩基球(顆粒球)、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)、単球(マクロファージ)の5種類に大別され、それぞれ異なる役割を持ち、体調によって数や種類が変動します。
- 基準値: 成人では約3,500~9,000個/μL程度。
- 増加: 感染症(肺炎など)、炎症、喫煙、白血病などで増える。
- 減少: ウイルス感染、薬剤、自己免疫疾患、骨髄の異常などで減り、免疫力低下や感染症リスク上昇につながる。
血小板
血小板は血液の細胞成分の一つで、血管が傷ついた際に出血部位に集まって凝集し、血栓(かさぶた)を作って止血する重要な役割を担います。
赤血球や白血球より小さく、骨髄で作られ、寿命は約1週間で脾臓などで破壊されます。
- 減少: 皮膚や粘膜からの出血(点状出血、あざ)、鼻血、歯ぐきの出血などが起こりやすくなります。
- 増加: 血液が固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症のリスクが高まります。
血漿
血漿(けっしょう)は血液の液体成分で、水分が約90%を占め、残りの約10%にアルブミン、免疫グロブリン(抗体)、血液凝固因子などのタンパク質や、糖質、脂質、電解質、ホルモン、老廃物などが溶けています。
主な役割は栄養や酸素の運搬、老廃物の回収、浸透圧の維持、止血、免疫機能の補助などで、血液の約55%を占めます。
血液と生活習慣の関係
血液の状態に影響する要因
血液の状態は、日々の生活習慣に大きく左右されます。
食事内容(栄養バランス)
食事内容は、血糖値や中性脂肪、コレステロール値など、血液の状態に大きな影響を与えます。
バランスの取れた食事は健康な血液を維持するのに役立ちますが、特定の食品の過剰摂取は血液を「ドロドロ」にし、動脈硬化などの疾患リスクを高める可能性があります。
良い影響を与える食品・栄養素
- 鉄分(ヘム鉄)
赤身の肉やレバーなどに多く含まれ、血液(特に赤血球)を作るために不可欠です。 - 魚、大豆、野菜、海藻、きのこ、全粒穀物
これらの食品を中心とした食事パターンは、血液を健康に保つのに役立ちます。 - ビタミン・ミネラル
野菜や果物、海藻などに含まれ、血液流動性に影響を与える可能性があります。 - ナットウキナーゼ
納豆に含まれるこの酵素は、血栓を溶かす効果が期待されます。 - 水分
十分な水分摂取は脱水を防ぎ、血液が濃くなるのを防ぎます。
悪い影響を与える食品・成分
- 飽和脂肪酸
肉類の脂身やバターなどに含まれ、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを増加させます。 - 糖質(砂糖、ジュース、チョコレート)
摂りすぎると中性脂肪として蓄えられ、血液の流れを悪くします。 - 塩分
塩分過多は高血圧を招き、血管に負担をかけます。 - アルコール
過剰な飲酒は中性脂肪値を上昇させ、血液の状態を悪化させる要因となります。 - 加工食品
リンや塩分が多く含まれる場合があり、過剰摂取は避けるべきです。



健康な血液を維持するためには、バランスの取れた食事を意識しましょう。
運動
定期的な適度な運動は、血液の状態や循環器系に多くの良い影響をもたらします
適度な運動の長期的な影響
- 血流の改善
運動により全身の筋肉に酸素を供給するため血管が拡張し、毛細血管も発達して血流がスムーズになります。 - 動脈硬化の予防
運動によって血流が増えると、血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)が生成され、これが血管を広げ、動脈硬化を予防する働きがあります。 - 生活習慣病の改善
血糖や脂肪がエネルギーとして消費されるため、血糖値や脂質異常症の改善に役立ち、血液をきれいにする効果があります。 - 血圧の安定
定期的な運動は、高血圧の予防や改善に効果的であることが認められています。 - 筋ポンプ作用
下半身の筋肉(ふくらはぎなど)を動かすことで、筋肉が血管を圧迫し、重力に逆らって心臓へ血液を戻すのを助ける「筋ポンプ作用」が働きます。



これを機に運動を始めてみようと思う方は、こちらの記事を参考にしてください。


睡眠
睡眠も、血液の状態に影響を与える重要な要因の一つです。
- ホルモンバランスの調節
睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールなどの分泌を増加させ、血糖値や血圧の上昇を引き起こす可能性があります。 - 炎症の抑制
十分な睡眠は、体内の炎症レベルを低く保つのに役立ちます。
睡眠不足が続くと炎症マーカーが増加し、心血管疾患などのリスクを高める可能性があります。 - 血糖値のコントロール
睡眠はインスリン感受性に影響します。
睡眠不足はインスリン抵抗性を高め、血糖値スパイクを引き起こしやすくします。 - 血液循環の改善
睡眠中は心拍数と血圧が低下し、全身の血流が改善されます。 - 免疫機能の維持
睡眠は免疫系の正常な機能に不可欠であり、白血球の働きやサイトカインと呼ばれる重要な免疫物質の生成を助けます。 - 血圧の調節
健康な睡眠パターンは、正常な血圧を維持するために重要です。睡眠中の血圧低下(ディッピング)は心血管の健康に不可欠です。
ストレス
ストレスは、自律神経系やホルモン系を介して血液の状態に影響を及ぼします。
具体的には、血圧の上昇、血糖値・コレステロール値の上昇、そして血液の粘度(ドロドロ度)の増加といった変化を引き起こす可能性があります。
ストレスが血液に与える主な影響
- 血圧の上昇と血管の収縮
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。これらのホルモンは血管を収縮させる作用があり、血圧を上昇させます。 - 血液の粘度増加(ドロドロ血液)と血栓リスク
アドレナリンが過剰に分泌されると、血球の働きが活発になりすぎることで、赤血球同士がくっつきやすくなります。これにより血液が「ドロドロ」の状態になり、血栓ができやすくなるリスクが高まります。 - 血糖値の上昇
ストレスは、インスリンの働きを妨げる「インスリン抵抗性」を引き起こす可能性があります。これにより、血液中の糖が細胞に取り込まれにくくなり、血糖値が高い状態が続いてしまう可能性があります。 - コレステロール値の上昇
長期的なストレスは、コレステロール値の上昇にも関与することが示唆されています。 - 肝機能値(AST、ALT)の上昇
過度なストレスは自律神経の乱れを通じて肝臓に負担をかけ、肝細胞がダメージを受けることで、血液検査のASTやALTといった肝機能の数値が上昇することがあります。 - 免疫機能への影響(白血球)
ストレスによる自律神経バランスの崩れは、白血球やリンパ球といった免疫細胞の働きにも影響を与え、免疫力の低下につながる可能性がありますす。
喫煙・飲酒習慣
喫煙・飲酒習慣は、血液の状態に様々な悪影響を及ぼし、動脈硬化や生活習慣病のリスクを高めます。
喫煙が血液に与える影響
- 血管収縮と血圧上昇
タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血管を一時的に収縮させ、血圧を急上昇させます。 - 酸素供給能力の低下
一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結合することで、酸素の運搬能力が低下します。 - 動脈硬化の促進
血管の内壁を傷つけ、動脈硬化や血栓形成の要因となります。 - 脂質異常症
中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロール値の上昇、HDL(善玉)コレステロール値の低下を引き起こします。 - 血液細胞数の変化
赤血球や白血球の増加が見られることがあります。 - ビタミンの消費
有害物質に対抗するためにビタミンCやEが大量に消費され、血中の濃度が低下します。
飲酒が血液に与える影響
- 肝機能への負担
長期的な飲酒は肝臓に負担をかけ、機能が低下します。これにより、血液中の老廃物の処理が遅れ、血行が悪くなることがあります。 - 肝機能検査値の上昇
飲酒によって、AST、ALT、γ-GTPといった肝臓関連の検査項目が一時的または慢性的に上昇します。 - 血管内皮細胞の損傷
アルコールが体内で分解されて生成されるアセトアルデヒドは、血管内皮細胞を損傷させ、血管が硬化する原因となります。 - 高尿酸血症(痛風)のリスク
過剰なアルコール摂取は、高尿酸血症のリスクを高め、腎障害や心血管障害とも関連します。 - 血液細胞数の変化
赤血球数、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)などに影響が出ることがあります。



喫煙と飲酒についてはこちらの記事も参考にしてください。




血液を健康に保つための基本習慣
血液を健康に保つためには、基本的な生活リズムがとても重要です。
- しっかり水分をとる
- バランスの良い食事を心がける
- 軽い運動で血流を促す
- 十分な睡眠を確保する
- ストレスを溜めすぎいない
しっかり水分をとる
適切な水分補給の習慣
- 摂取量の目安
食事から得られる水分も含め、「体重×30~40ml」程度の飲料水を目安に摂取しましょう。 - こまめに摂る
一度に大量に飲んでも体外に排出されてしまうため、コップ1杯(150~200ml程度)の水を1日に数回(7~8回)に分けて、こまめに飲む習慣をつけましょう。 - 喉が渇く前に飲む
「喉が渇いた」と感じた時にはすでに脱水が始まっている状態です。喉の渇きを感じる前に意識的に水分を摂りましょう。 - 推奨される飲み物
水、ミネラルウォーター、カフェインを含まないお茶がオススメです。



水分補給についてはこちらの記事を参考にしてください。


バランスの良い食事を心がける
積極的に摂りたい食品と栄養素
- 鉄分
赤身の肉やレバー(ヘム鉄)、小松菜やブロッコリー(非ヘム鉄)などに豊富に含まれ、健康な血液を作るのに不可欠です。 - ビタミンC
非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあります。柑橘類、ブロッコリー、いも類などに多く含まれます。 - タンパク質
魚、肉、大豆製品、卵などのタンパク質源は、しなやかな血管を維持するのに役立ちます。特に大豆製品に含まれる大豆サポニンは、血液中のコレステロールを減らす作用があります。 - 抗酸化作用のある食品
ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどは、動脈硬化の予防に期待できます。ココアや緑茶にもこれらの成分が含まれています。 - 血液サラサラ成分
納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果が期待されます。また、青魚、玉ねぎ、海藻、きのこ類なども血流を良くする働きがあります。 - カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維
これらは血圧をコントロールするのを助ける栄養素です。野菜、果物、海藻、大豆製品、低脂肪乳製品などを意識的に摂りましょう。
軽い運動で血流を促す
血液を健康に保つためには、主に有酸素運動と、それに加えて筋力トレーニング、ストレッチを組み合わせた習慣的な運動が効果的です。
これらの運動は血流をスムーズにし、動脈硬化や生活習慣病の予防につながります。
運動の具体的な例
- 有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、水中ウォーキングなど。
頻度:1回10~20分、週3~毎日を目安 - 筋力トレーニング
スクワット(きつすぎない程度でOK)、階段の上り下りなど。
頻度:1回20~30分、週2~3回を目安 - ストレッチ
静的ストレッチ、動的ストレッチ合わせて全体的に行う。
頻度:1回5~20分、毎日行ってもOK



運動頻度はあくまで目安なので、自分の体力・体調に合わせて実施しましょう。
まずは「継続」して「習慣化」することが大切です。
ストレッチに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。




十分な睡眠を確保する
健康な血液を保つための睡眠習慣
- 適切な睡眠時間の確保
必要な睡眠時間には個人差がありますが、一般的に十分な休養が取れる時間を確保することが重要です。 - 質の高い睡眠
単に眠るだけでなく、睡眠の質も重要です。寝付きが悪い、夜中に目が覚めるといった不眠症状は原因を探して対策が必要です。



睡眠の質を上げたい方はこちらの記事をお読みください。


ストレスを溜めすぎいない
上記の内容で書いた生活習慣を整えるのも大事ですが、ストレスを溜めないためには、リラックスタイムの確保も大切です。
健康診断の血液検査、どう見ればいい?
健康診断の血液検査の見方では、基準値(正常範囲)と照らし合わせ、L(Low)やH(High)の表示で異常を把握します。
単独数値だけでなく総合的に判断し、貧血、肝臓、腎臓、脂質(コレステロール、中性脂肪)、血糖、尿酸など各項目が何を示し、どんな病気のリスクがあるか、生活習慣でどう改善するかを知ることが重要で、C・D判定(要再検査・要精密検査)は放置せず専門医に相談しましょう。
- A: 異常なし
- B: 軽度異常だが問題ない範囲
- C: 要経過観察・再検査(病気の種)
- D: 要精密検査(明らかな異常所見)
- E: 要治療(治療中)
- L (Low) は基準値より低い、H (High) は高いことを示す。



これらのサインがある人は、
医師や保健師、トレーナーに相談しながら、生活習慣を整えていくのがおすすめです。
もっと細かく数字を把握したい方は、こちらのサイトがとても分かりやすいので、参考にしてください。
https://www.jpm1960.org/jushinsya/exam/exam06.html
日本予防医学協会「血液検査の結果の見方」
まとめ
- 血液は、体の中を流れる「運ぶ・守る・整える」存在
- 血液は、「赤血球、白血球、血小板、血漿」の4つの成分からできている
- 食事・運動・生活習慣で整える
血液を理解することは「日々の身体の声を聞く力」につながります。
小さな習慣の積み重ねが、健康につながる一歩になります。
まずは「自分の血液ってどんな状態かな?」と意識してみましょう。



血液と関連して、「血圧」「血糖値」のこともこの機会に知っておきましょう。




最後までお読みいただきありがとうございました!


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