はじめに

体育教師×スポーツトレーナーのしゅんせいです。
「水分補給は大切」とはよく聞きますが、
実際に“いつ・何を・どのくらい”飲めばいいのか、
意外と知られていません。
運動をしている人や、仕事中に汗をかく人は、意識して水分補給している方も多いですが、
実は「体の乾き」は、体の調子そのものやダイエットに関わる問題です。
この記事では
- 水分補給の大切さ
- 健康面の影響
- 今日からできる実践ポイント
を分かりやすく解説します。
水は体の中で何をしているのか


水は体の源
体を占める水の割合ですが、健康な成人男性は約60%、成人女性は約55%になります。
(※年齢や体脂肪率によって変動あり)
- 胎児:約90%
- 新生児:約75~80%
- 子ども:約70%
- 成人男性:約60%(55~65%)
- 成人女性:約55%(45~60%)
- 高齢者:約50~55%
水分量の個人差
- 性別
女性は男性より脂肪が多く、脂肪組織の水分含有率が低いため、体水分率も低くなります。 - 年齢
年齢とともに体水分率は減少します。 - 体脂肪率
筋肉は水分を多く含みますが、脂肪は少ないため、体脂肪率が高い人は体水分率も低くなる傾向があります。
水は体温調節・血液循環・代謝・老廃物の排出など、すべての機能のベースになっています。
農林水産省のサイトにあるこちらの図を見てみましょう。


https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/features.html
引用:農林水産省HP
コマの中心軸が「水分」になっています。
コマは中心軸がしっかりしないと綺麗に回ってくれないですよね。
つまり、水分が足りない=体のすべての働きが鈍るし崩れるということ。



それだけ水分が大切ってことが分かりますね。
次は、体内の水分の役割について知っていきましょう。
体内の水分の役割
栄養素や酸素を全身の細胞へ運ぶ
消化された栄養素(ブドウ糖、アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラル)や、肺から取り込まれた酸素を血液やリンパ液といった体液に溶かし、全身の細胞へ運びます。
老廃物を体外へ排出する
水分は血液や体液として栄養・酸素を運び、代謝で生じた老廃物を血液中に溶かし、腎臓でろ過されて尿として体外へ排出する重要な役割(運搬・排泄)を担います。
体温調節
水分は、温まりにくく冷めにくい性質で体温を一定に保ち、暑い時や運動時には汗となって蒸発する際に気化熱で体温を下げることで、体温調節に不可欠な役割を果たします。
環境維持
細胞内外のバランスは浸透圧によって保たれます。
細胞内外の電解質濃度(特にナトリウムとカリウム)の差が浸透圧を生み、濃度が低い方へ水が移動(浸透)することで、細胞は膨張・収縮せず、正常な機能が維持されます。
体への影響


① わずか2%の脱水でも体は不調を起こす
人は体重の約2%の水分を失うと、集中力や運動能力が低下します。
これは、体重70kgの人ならわずか1.4リットルの水分不足で起きる計算です。
軽度な脱水であっても、以下のような身体的・精神的な不調を引き起こすことが知られています。
- 認知機能の低下:集中力、注意力が散漫になる。
- 気分の変化:イライラ感や疲労感が増す。
- 身体パフォーマンスの低下:運動能力が低下する。
② “のどが渇いた時点”ですでに遅い
「喉が渇いた」と感じた時点では、すでに体は水分不足(軽い脱水状態)に陥っており、水分補給には少し遅すぎます。
熱中症予防や健康維持のためには、喉が渇く前に、少量ずつこまめに水分を補給するのが鉄則です。
なぜ喉が渇いてからでは遅いのかというと、
- 体のサインの遅れ
喉の渇きは、体内の水分が失われ、血液が濃くなったことを脳が感知して送るサインです。この段階ではすでに体が水分不足の状態にあります。 - 吸収に時間が必要
水分を補給しても、胃から小腸で吸収され、全身に運ばれるまでには時間がかかります(約10〜20分以上)
こういったことが理由のためです。
理想は、渇く前にこまめに飲むことです。特に以下のタイミングで意識してみましょう。
- 朝起きた直後
- 運動の前後
- 入浴前後
- 就寝前
③ 水分が足りないと代謝も下がる
水は、栄養素を運び、老廃物を流す“体内の物流”です。
不足すると、代謝が落ちて脂肪が燃えにくくなったり、便秘・むくみの原因にもなります。
「ダイエットしているのに結果が出ない…」という人は、水分摂取量を見直すだけでも変化が出ることがあります。



日本の厚生労働省では、熱中症予防の観点からも、こまめな水分・塩分補給を呼びかけています。
詳細な情報や予防策については、厚生労働省の熱中症予防に関する情報も参考にされてください。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku
「熱中症予防のための情報・資料サイト」
引用:厚生労働省
いつ、何を、どれくらい、飲めばいい?


1日での水分摂取量
目安は「体重 × 30~40ml」
よく「1日2リットル」と言われ、聞いたことがある人もいると思います。
大きくは間違っていませんが、自分の体格にあった量を細かく知りたい方は、「体重 × 30~40ml」を目安にしましょう。



体重別早見表でザックリ自分の水分必要量を把握しよう
| 体重 | 1日あたりの量 | コップ(約200ml)何杯 |
|---|---|---|
| 40kg | 1.2~1.6L | 6~8杯 |
| 50kg | 1.5~2.0L | 7~10杯 |
| 60kg | 1.8~2.4L | 9~12杯 |
| 70kg | 2.1~2.8L | 10~14杯 |
| 80kg | 2.4~3.2L | 12~16杯 |
| 90kg | 2.7~3.6L | 13~18杯 |
| 100kg | 3.0~4.0L | 15~20杯 |
何を飲めばいいのか
水・ミネラルウォーター
糖分・カフェイン・カロリーゼロで最も基本的。
常温で飲むのがが胃腸に優しいのでオススメです。
カフェインの少ないお茶
麦茶、ルイボスティー、黒豆茶、コーン茶は、ノンカフェインでミネラルも補給でき、水分補給に最適です。
スポーツドリンク
水分と一緒に失われる塩分(ナトリウム)や糖分を補給できます。
飲むタイミングは?
起床時
寝ている間にも汗や呼吸で約500mlの水分を失っており、体は脱水状態にあります。
起床時の水分補給は、寝ている間に失われた水分(コップ約1杯分)を補給し、代謝を上げ、消化器官を刺激し、1日の始まりに体を整えるために非常に重要です。
就寝前
寝ている間も汗や呼吸で水分は失われるため、血液がドロドロになるのを防ぎ、心筋梗塞・脳梗塞のリスク低減にもつながります。
就寝前の水分補給は、寝る30分〜1時間前にコップ1杯(約200ml)の常温の水か白湯を、ゆっくり飲むのが理想的です。



寝る前の習慣についてはこちらの記事でも紹介しています。


食事の30分前
胃に水が留まることで糖の吸収が緩やかになり、食後血糖値の急上昇を抑制します。
また、胃が膨らむため満腹感を得やすく、自然と食事量を減らせます。



食べる直前ではなく30分前までに飲むことで、消化液が薄まるのを防ぐことができます。
運動の前後と運動中
- 運動前:30分〜1時間前に250~500ml
- 運動中:15~20分おきに100~200ml程度をこまめに
- 運動後:体重減少分の1.25~1.5倍の水分を数時間かけて補給
するのが効果的です。



喉が渇く前に飲むのが重要で、汗を大量にかく場合は水だけでなく、塩分や糖分を含むスポーツドリンクもオススメです。
入浴の前後
- 入浴前:コップ1杯程度(200〜300ml)を目安に飲みましょう。汗をかき始める前に水分を補給し、体内の水分量を整えることで、血流を良くし、スムーズな発汗を促します。
- 入浴後:入浴前同様、コップ1杯程度(200〜300ml)を目安に飲みましょう。入浴で失われた水分を補給し、血液の粘度上昇(ドロドロ血)を防ぎ、血圧の急上昇によるリスク(脳卒中・心筋梗塞)を軽減します。
どのタイミングでも意識するポイント
- こまめに
一度に大量に飲むと胃腸に負担がかかるので、こまめに飲みましょう。 - 喉が渇く前に
喉の渇きを感じた時点ではすでに水分が不足しており脱水が始まっているため、喉が渇く前に水分補給を心がけましょう。 - 1回200ml程度
体が一度に吸収できるのは200~250ml程度と言われています。 - 温度
常温が胃腸への負担が少なく、体に優しいのでオススメです。
実は水分補給にならない飲み物


カフェイン入りの飲み物
カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるため、水分補給には向きません。
特に脱水のリスクが高い場面(運動中や高温環境下など)では、飲んだ以上に水分が排出される可能性があり、かえって水分不足を招くことがあります。



100mlあたりのカフェイン含有量をみてみましょう
| 飲料名 | カフェイン含有量 |
|---|---|
| コーヒー | 60ml |
| 紅茶 | 30ml |
| 緑茶 | 20ml |
| 烏龍茶 | 20ml |
| ほうじ茶 | 20ml |
| 玉露 | 100ml |
| コーラ | 10ml |
| ココア | 10ml |
| エナジードリンク | 40ml |
健康な成人では1日あたりカフェイン400mgまでが目安で、1回200mgを超えないことが推奨されます。
妊婦は200mg以下、子供は体重1kgあたり3mg以下(10~12歳で約85mg)など、年齢や体質によって個人差があります。
アルコール飲料
アルコールは強い利尿作用(尿を出す作用)があり、飲めば飲むほど体内の水分が失われるため、水分補給には全く向かず、むしろ脱水を悪化させます。
- 強い利尿作用
アルコールが腎臓での水分再吸収を妨げ、尿量を増やします。 - 水分収支がマイナス
飲んだ量よりも多くの水分が体外へ排出されてしまうため、体は脱水状態になります。



お酒をたしなむ時は、チェイサーとしてお酒と同量以上(できればそれ以上)の水を、お酒と交互に飲みましょう。
アルコールに関して詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。


糖分が多い飲料
糖分が多い飲料(ジュース、炭酸飲料、甘いスポーツドリンク、缶コーヒーなど)は、血糖値を急上昇させ、体内の水分バランスを崩してしまいます。
かえって喉が渇くため、水分補給には適していません。
まとめ
- 体の約60%は水でできている
- 水は体温調節・血液循環・代謝・老廃物の排出などをしている
- わずか2%の不足で集中力や代謝が落ちる
- のどが渇く前にこまめに飲むことが大切
- 「体重×30ml~40ml」を目安に、1日を通して少しずつ
- 水分補給には、水・麦茶・スポーツドリンクなどが最適
- カフェイン入りの飲み物・アルコール飲料は水分補給にはならない
水分補給は、手軽で確実に健康を底上げできる“最強のセルフケア”!
内側から元気な体を育てましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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