「健康診断でメタボ予備群と言われた」
「最近、お腹まわりが目立つようになった」
「体重はそれほど増えていないのに、血圧や中性脂肪を指摘された」
40代・50代になると、このような変化を感じる方が増えてきます。
メタボリックシンドローム、いわゆる「メタボ」は、単にお腹が出ている状態ではありません。
内臓脂肪が蓄積し、血圧・血糖・脂質の異常が複数重なっている状態を指します。
この状態が続くと動脈硬化が進みやすくなり、将来的な心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まるため、早い段階で生活習慣を見直すことが大切です。

この記事では、メタボの診断基準から、食事・運動による改善方法、医療機関へ相談した方がよいケースまで、現役体育教師×パーソナルトレーナーの視点で分かりやすく解説します。
メタボリックシンドロームとは
メタボは単に太っている状態ではない
メタボリックシンドロームは、内臓の周囲に脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」を背景として、血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態です。
見た目や体重だけでは判断できません。
- 体重が多くても、メタボの基準に該当しない人
- 見た目は太っていなくても、血圧や血糖値に問題がある人
もいます。
肥満・肥満症・メタボの違い
| 用語 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 肥満 | BMI25以上の状態 |
| 肥満症 | 肥満に関連する健康障害がある、または内臓脂肪型肥満がある状態 |
| メタボ | 内臓脂肪の蓄積に加え、血圧・血糖・脂質の異常が複数重なった状態 |
「肥満=すぐ病気」というわけではありません。一方で、健康障害を伴う肥満症やメタボは、医療的な評価や生活習慣の改善が必要になる場合があります。
メタボリックシンドロームの診断基準
日本では、腹囲が基準以上であることに加え、血圧・血糖・脂質の3項目のうち2項目以上に該当すると、メタボリックシンドロームと診断されます。
診断基準を表で確認
| 必須項目 | 基準 |
|---|---|
| 腹囲 | 男性85cm以上/女性90cm以上 |
腹囲の基準に加えて、次の3項目のうち2項目以上に該当する場合です。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 脂質 | 中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満 |
| 血圧 | 収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上 |
| 血糖 | 空腹時血糖110mg/dL以上 |
診断基準と特定保健指導の基準は異なる
健康診断で「メタボ予備群」「特定保健指導の対象」と言われた場合、学会によるメタボの診断基準とは判定方法が少し異なることがあります。
特定保健指導では、腹囲やBMI、血糖・脂質・血圧、喫煙歴などをもとに支援レベルが決められます。
腹囲の正しい測り方
腹囲は、一般的なズボンのウエスト位置ではなく、へその高さで測ります。
- 両足をそろえて立つ
- 腕を自然に下ろす
- へその高さにメジャーを水平に当てる
- 息を自然に吐き終えたところで測る
- お腹をへこませたり、メジャーを強く締めたりしない
メタボを放置するリスク
メタボの問題は、血圧・血糖・脂質の異常が重なることです。
これらは単独でも血管に負担をかけますが、複数重なると、動脈硬化が進行しやすくなります。
その結果、将来的に次のような病気につながる可能性があります。
- 2型糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 慢性腎臓病
自覚症状が少ないことに注意
血圧や血糖、中性脂肪が高くても、初期には目立った症状が出ないことがあります。
40代・50代でメタボが増えやすい原因
厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査では、40〜74歳男性のうち、メタボが強く疑われる人と予備群を合わせると約2人に1人とされています。
身体活動量が減っている
40代以降は、仕事や家庭の都合で運動時間が減りやすくなります。
- デスクワークが長い
- 車移動が多い
- 階段を使わなくなった
- 休日も座って過ごすことが多い
このような小さな変化が重なると、1日のエネルギー消費量が減っていきます。
食事量と消費量が合わなくなる
「若い頃と食べる量は変わらないのに太った」という相談は、トレーニング現場でもよく受けます。
しかし実際には、食事量だけではなく、歩く量や運動量が以前より減っているケースも少なくありません。
飲酒・睡眠不足などが重なる
お酒そのもののエネルギーに加えて、
- 飲酒時に食事量が増える
- 締めの麺類やご飯を食べる
- 睡眠の質が低下する
- 翌日の活動量が減る
といった行動が重なることがあります。
メタボを改善する5つの方法
1.食事量と食事内容を見直す
最初から完璧な食事を目指す必要はありません。
まずは、余分なエネルギーを取りやすい部分から1つ選んで見直します。
- 甘い飲み物を水・お茶に替える
- 菓子・菓子パンの回数を減らす
- 揚げ物が続かないようにする
- 夜遅い時間の大盛りを避ける
- 主食・主菜・副菜がそろった定食を選ぶ
- 野菜、海藻、きのこ、豆類を増やす
- 魚や脂身の少ない肉、大豆製品を取り入れる
極端な糖質制限や断食は、筋肉量の低下やリバウンドにつながる可能性があります。
2.まずは今より10分多く動く
運動習慣がない人が、いきなり毎日1時間歩く必要はありません。
- 昼休みに10分歩く
- 近い階は階段を使う
- 買い物で少し遠回りする
- 30分に1回は立ち上がる
- テレビを見ながら軽く足踏みする
このような取り組みでも、今までより活動量を増やせます。
3.筋トレを週2〜3日取り入れる
筋トレには、加齢に伴う筋力・筋肉量の低下を防ぐメリットがあります。
運動初心者は、次のような自重トレーニングから始められます。
- 椅子スクワット
- 壁に手をついた腕立て伏せ
- かかとの上げ下げ
- ゴムバンドを使った背中の運動
最初は各種目8〜12回を1セット、週2回程度からでも十分です。
4.飲酒・睡眠・座りすぎを見直す
食事と運動だけに集中すると、続かないことがあります。
- 休肝日を設ける
- 飲酒量を記録する
- 就寝時刻を大きく乱さない
- 寝る直前の飲酒や食事を避ける
- 長時間座りっぱなしにしない
自分にとって改善しやすい項目を1つ選びましょう。
5.体重・腹囲・血圧を記録する
毎日の体重は水分量などでも変動します。1日ごとの増減だけで判断せず、1〜4週間単位の傾向を確認します。
おすすめの記録項目は次のとおりです。
- 体重:週2〜7回
- 腹囲:月1〜2回
- 血圧:指摘を受けている人は医師の指示に従って測定
- 歩数:スマートフォンや活動量計で確認
- 健診結果:毎年比較する
メタボ改善が向いている人・自己流だけでは進めない方がよい人
生活習慣の改善に取り組みたい人
- 健診でメタボ予備群を指摘された
- 腹囲や体重が少しずつ増えている
- 座っている時間が長い
- 甘い飲み物や間食が多い
- 運動習慣がない
- 今後の健康リスクを早めに減らしたい
自己流だけでは進めない方がよい人
- 血圧・血糖・中性脂肪の数値が大きく外れている
- 糖尿病、高血圧症、心臓病、腎臓病などで治療中
- 胸痛、息苦しさ、強い動悸がある
- 運動するとめまいや痛みが出る
- 急激に体重が増減した
- 薬を服用している
- 極端な食事制限を繰り返している
何科を受診すればよい?
最初は、かかりつけの内科や健診を受けた医療機関へ相談するのが基本です。
健診結果に応じて、糖尿病内科、循環器内科、内分泌・代謝内科などを案内されることがあります。
健康診断で「要受診」と書かれている場合は、生活習慣の改善だけで様子を見ず、指定された期間内に受診しましょう。
メタボに関するよくある質問
体育教師×トレーナーとしての結論
メタボ対策のメリットは、体重や見た目を変えることだけではありません。
- 血圧・血糖・脂質の改善につながる可能性がある
- 動きやすく疲れにくい体を目指せる
- 将来の心血管疾患リスクを抑えることにつながる
- 健康診断の数値を継続的に管理できる
一方で、極端な食事制限や急に始める激しい運動には注意が必要です。体力や持病、関節の状態によって、適切な方法は異なります。



私が指導現場で大切にしているのは、100点の生活を短期間だけ続けることではなく、60〜70点の生活を無理なく続けることです。
まずは次の3つから1つ選んでください。
①甘い飲み物を水かお茶に替える
②今より10分多く歩く
③体重と腹囲を記録する
内臓脂肪は、生活習慣を見直すことで改善を目指せます(^^)
ただし、健診で要受診となっている方や、すでに治療を受けている方は、自己判断だけで進めず医師へ相談しましょう。
忙しくて食事を整える時間がない方へ
自炊が難しい日は、栄養成分を確認できる宅配食を利用する方法もあります。
すべての人に宅配食が必要なわけではありませんが、外食やコンビニ弁当が続きやすい方には、食事管理を続ける選択肢の一つになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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