元体育教師、現在はスポーツトレーナーをしている、しゅんせいです。
私がトレーニング指導させていただいている方から、お酒に関しての質問をいただくことがあるので、
そのことについて触れていきます。
お酒はコミュニケーションを円滑にしたり、ストレスをほぐしたりと、人によっては人生を豊かにしてくれる存在です。逆に正しい知識や適切な飲み方をしないと、健康被害のリスクがあります。
この記事では、元保健体育教員 × スポーツトレーナーの私が、
学校の授業っぽく「お酒の基礎知識」 をわかりやすく解説します。
この記事を読んでいただくとお酒の歴史や酒類、お酒との正しい付き合い方が分かります。
アルコールってそもそも何者?
アルコールの正体
私たちが飲むアルコールの正体はエタノール(酒精)=(エチルアルコール)
酵母が糖を食べて、アルコールと二酸化炭素を作る“発酵”の産物です。
- ビール:穀物(大麦など)+酵母
- ワイン:ぶどう+酵母
- 日本酒:米+麹+酵母
お酒と言っても製法や原材料によって、味や度数、身体への負担がお酒ごとに違います。
アルコール度数(%)
アルコールの度数は、飲み物の中に含まれるアルコール(エタノール)の割合を“%”で示したものです。
例えばアルコール度数5%のビール500mlには、約25mlの純アルコールが含まれます(5% × 500ml = 25ml)。
お酒ごとのアルコール度数(目安)はこんな感じ。
| 種類 | 目安の度数 |
| ビール | 4~6% |
| ワイン | 10~15% |
| 日本酒 | 13~20% |
| 焼酎 | 20~35% |
| ウィスキー | 40%前後 |
| ジン・ウォッカ・ラム | 40%前後 |
大事なのは“飲む量 × 度数”
350mlのビール1本 vs 60mlのウイスキー(ダブル)=純アルコール量はほぼ同じになることも。
お酒の歴史
超ザックリと時系列
最古の酒は、猿や人類が落果した果物を口にして酔った経験から始まったと言われています。
果物の糖分に自然の酵母が作用し、アルコール発酵が起きたらしいです。
考古学的には、約9000年前の中国で酒の痕跡(米・蜂蜜・果物を発酵させた飲料)が見つかっています。
●人類と酒のはじまり
- 最古の酒:蜂蜜酒(ミード)
自然発酵した蜂蜜水 → 人類が偶然飲んだ可能性が高い - 農耕の発展 → 穀物・果実酒が誕生
→ 古代メソポタミア(ビール)、古代ジョージア(ワイン)
●蒸留技術の登場(約1,000年前〜)
- 中東〜ヨーロッパへ蒸留が伝わる
→ 「水精」「生命の水(aqua vitae)」:薬剤・保存目的
●近世〜近代
- 地域ごとの原料でウイスキー・ウォッカ・ラムなどに発展
- 日本では米文化 × 微生物管理 → 清酒・焼酎・泡盛
各お酒の発祥地
〇ビール系
ビール:古代メソポタミア(現イラク周辺)
ラガー(下面発酵):ドイツ・チェコ
エール(上面発酵):イギリス
〇ワイン系
ワイン:古代ジョージア(紀元前6000年前後)
シャンパン:フランス
シェリー:スペイン
〇蒸留酒
ウイスキー:アイルランドまたはスコットランド
ブランデー:フランス
ジン:オランダ
ウォッカ:ロシア(またはポーランド)
ラム:カリブ海地域
テキーラ:メキシコ
グラッパ:イタリア
〇アジアのお酒
清酒(日本酒):日本
焼酎:日本(南九州)
泡盛:琉球(沖縄)
紹興酒:中国
白酒:中国
マッコリ:韓国
お酒が体に入って出ていくまで
吸収:胃〜小腸から血液へ
お酒は口に入ってすぐに酔いを引き起こすわけではありません。
吸収 → 分解 → 排出というプロセスをたどることで、体に影響を与えます。
この流れを理解すると、「なぜ酔うのか」「なぜ悪酔いするのか」「なぜ飲み方が大事なのか」がわかります。
アルコールは飲んだ瞬間から体内に入り、まず胃から吸収されます。
ここで約20%程度が吸収され、残りの大部分は小腸で一気に吸収されます。
〇空腹で飲むと→吸収が速く、酔いが回りやすい
〇食事と一緒に飲むと→吸収がゆっくりになり、体への負担が小さくなる
分解:肝臓で解毒される
血液に乗ったアルコールは肝臓に運ばれ、酵素が分解を始めます。
- アルコール → アセトアルデヒド(強い毒性)
- アセトアルデヒド → 酢酸(比較的無害)
- 酢酸 → 二酸化炭素 + 水(エネルギー源として利用されることも)
ここで重要なのは、最も体に害があるのは「アセトアルデヒド」だということ。
この物質が頭痛・吐き気・脈拍増加、いわゆる悪酔いを引き起こします。
排出:呼吸・尿・汗から外へ
最終的にアルコールと分解産物は以下の形で体外へ出ます:
- 呼気(息) … 約3〜5%
- 尿 … 約2〜5%
- 汗 … 少量
- 残りは肝臓で完全分解
なぜ人によって酔いやすさが違う?
アルコールを分解する酵素の働きには遺伝的な個人差があります。
特にアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の働きが弱い人は、
- 顔が赤くなる
- 頭痛が強い
- 少量でも具合が悪くなる
などの反応が出やすく、無理に飲むと危険です。
これは「弱いから訓練不足」という問題ではなく、体質=生まれ持った能力です。
お酒が体に与える影響
- 脳(中枢神経)をゆるませる
アルコールは興奮ではなく抑制が基本。
脳のブレーキを強くし、不安を軽くし気分を高揚させます。
→ だから飲みすぎると判断力が落ち、事故や暴走につながります。 - 肝臓に負担
体内に入ったアルコールの90%以上は肝臓で分解。
処理能力の限界を超えると、脂肪肝→肝炎→肝硬変のリスク。 - 睡眠の質を悪くする
寝つきは良くても、深い睡眠が削られ回復が低下。
「飲むと寝れる」は錯覚で、覚醒ホルモンの反動が翌朝のだるさを招きます。 - 脱水を招く
アルコールは抗利尿ホルモンを抑制→尿が増える。
→ むくみ・頭痛・パフォーマンス低下につながります。
どう飲めば健康的にたしなめるか
“適量”の考え方
1ドリンク(=標準飲酒量)の目安
純アルコール約10gが基準。
- ビール 350ml(缶1本)
- ワイン 120ml
- 日本酒 180ml(1合弱)
- ウイスキー 30ml(ショット)
成人男性:2ドリンクまで
成人女性:1〜1.5ドリンクが安全圏
※体質差があるので“感じ方”は人それぞれ。
飲むときのポイント
- 食事と一緒に
空腹時は吸収が爆速→悪酔いの原因。
タンパク質や脂質を含む食事と一緒に。 - 水をお供に
“お酒の倍の水”を目安に。
アルコール代謝と脱水予防に効果的。 - 寝酒はやめる
「眠れる」は幻想。回復を奪う飲み方。
飲み過ぎのサイン
- 翌日2日酔いが常習
- 記憶が飛ぶ
- 休肝日がない
- 「飲まないと寝られない」
これらは身体からの赤信号。
あなたが思うより体はダメージをため込んでいます。
あなたの体質に合った適量に調整してあげましょう。
まとめ
お酒は好きな人からすると、生活を彩る嗜好品です。
しかし、脳・肝臓・睡眠・体型に確実に影響するという事実を知っておくことが大切。
今回の記事がお酒好きだけど健康も気になる方の役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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