硬式テニスの基礎知識|初心者・学校体育でも楽しめる入門ガイド

体育教師×スポーツトレーナーのしゅんせいです。

この記事では、テニスを初めて学ぶ方や学校体育で指導する先生、または基礎から学び直したい大人に向けて、
テニスのルール・基礎動作・必要な道具・安全な楽しみ方・授業で使える練習方法 をわかりやすく解説します。

テニスは、生涯スポーツとして世界中で親しまれています。
「動きが速くて難しそう…」というイメージを持たれがちですが、実は 基本を押さえれば誰でもすぐに楽しめるスポーツ です。

この記事1本で、テニスの基礎がすべてわかる入門ガイド になっています。
ぜひ、テニスの魅力を感じてみてください。

今回記事で言うテニスは、「硬式テニス」のことになります。
柔らかいゴムボールで行う「ソフトテニス」は別の機会で触れますね。

目次

テニスってどんなスポーツ?

テニスのはじまり

テニスの起源は11世紀頃のフランスと言われ、当時は手のひらで打ち返す「ジュ・ド・ポーム」という遊びが始まりでした。
16世紀ごろにラケットやゴムボールなどの道具が登場。
19世紀のイギリスで現在の形に近い「ローンテニス」として発展します。
芝生の屋外コートで行われる伝統は、今でもウィンブルドン選手権という形で残されています。

日本でのテニスの始まりは、明治初頭の1874年ごろになります。
横浜、神戸などの外国人居留地に持ち込まれたのがきっかけです。
横浜の山手公園内のテニスコート入り口に、「日本庭球発祥之地」の記念碑があるんですよ。

私は地元が横浜なので、山手公園のテニスコートには時々お邪魔しています(^^)

テニスの特性

テニスは「球技」種目の1つであり、「ネット型」スポーツに分類されています。
ボールやラケットの道具を使い、いろいろなテクニックや戦術があるので、競技目線で考えると難しい競技といわれています。

しかし、生涯スポーツの目線からしても人気スポーツの1つではあります。
テニススクールやイベントの教室に通ったり社会人サークルに加入したりと、親しみ方は色々。

少人数から楽しむことができ、健康増進や体力増強の観点からみても良いですね。
ネットを挟んでする競技なので、コンタクト(人と接触する)心配もありません。

また、テニスは対人的スポーツのため、相手との駆け引きや状況判断に応じたプレイを求められるのも楽しさの1つです。

相手を観察して予測を立てたり自分の立ち位置を考えたりなど頭をフル活用します

競技特徴

テニスの試合におけるプレー時間を見るとテニスの競技特性が見えてきます。

テニスの試合における実際のインプレー時間(プレーとして動いている時間)は、全試合時間の約20〜30%程度とされています。

1ポイント平均時間は6~8秒といわれているので、メインは無酸素系の能力が必要です。
しかし、1ポイントの時間が20秒~30秒になることもあり得るので、解糖系の能力も必要です。

さらに、このような場面

  • スクールに通っていて、ボールを打っている時間が長い
  • 学生で部活やサークルに所属していて半日または1日通して練習している
  • 競技者で連続または連日で試合がある

になってくると、有酸素系の能力も関わってきます。

スキル特性

スキル特性を考えていくうえで、「オープンスキル」と「クローズドスキル」を知っておく必要があります。

オープンスキル

自分のプレー(行動)をする時に、相手からの影響(邪魔)がある時に発揮するスキル

オープンスキル型のスポーツ競技の例として、テニス・卓球・バドミントン・サッカー・バスケ・バレーボール・剣道・柔道などがあります。

対人競技だからと言って全てがオープンスキルというわけではありません。
(例)テニスのサーブはクローズドスキルになります。

対人型競技では相手からの影響が大きいので、視覚や聴覚などによる情報処理、予測や判断力が重要

クローズドスキル

自分のプレー(行動)をする時に、相手からの影響(邪魔)がない、もしくは相手がいない時に発揮するスキル

クロースドスキル型のスポーツ競技の例として、陸上、器械体操、水泳、ゴルフ、スキーなどがあります。

記録競技や得点競技が中心で、身体の動きの感覚や再現性が重要

コートの広さや名称

テニスコートは長方形。ラインや区域に名前があり、それぞれ役割があります。

  • ベースライン:後方のライン。ストロークの中心位置。
  • サービスライン:サーブが入る範囲の境界。
  • センターライン:サーブ時の左右を区切るライン。
  • サイドライン:シングルスとダブルスで幅が異なる。

学校体育では、図を使ったり実際に描いたりして覚えると効果的です。

ポイントの数え方や勝敗について

テニスの特徴は、少し特殊なポイント制度です。

  • 0 → 15 → 30 → 40 → 1ゲーム
  • ゲームを6つ取る → 1セット
  • セットを2つ(大会によっては3つ)取る → 勝利

40-40になったときは「デュース」と言い、2ポイント差をつけなくてはいけません。

テニスは、1回の失敗では勝敗が決まらず、何度も立て直せるのが特徴です。
実際にプロの試合では、2セット取られてからの逆転勝利なんてこともあります。

シングルスとダブルスの違い

主な違いの比較

項目シングルスダブルス
プレー人数1対12対2
コートの広さ幅が狭い幅が広い
フォーメーション1人でコート全部を
カバー
ペアと協力して
コートをカバー
サーブ1人で行う2人でゲームごとに
交代で行う
体力広い範囲を1人でカバーするため、より体力が必要ペアとの役割分担や
連携が必要

道具の基礎知識

ラケット

テニスラケットは、「面の大きさ」「重さ」「グリップサイズ」の3つが基本です。

1、面(フェイスサイズ)


・大きいほど打点が広く、ミスが減る(=初心者向け)
・小さいほど操作性は高く、上級者向け
目安
・初心者:100〜110インチ
・中級者:98〜100インチ

2、重さ(バランス)


・軽いラケット(260〜280g)
→扱いやすい、振りやすい、腕の負担が少ない
・重いラケット(300g〜)
→ 安定感アップ、速いボールも抑えられる

初心者は軽めがベスト。
ただし軽すぎるとスイングのコントロールがしづらかったりボールに打ち負けたりするので、
260〜290g程度が最適かと思います。

3、グリップサイズ

握りの太さは手の大きさで変わります
太すぎると力が入りづらく、細すぎると手首に負担がかかります。

ラケットを握ったとき、手のひら側の指1本分の隙間があるかが目安


ボール

国際テニス連盟(ITF)の公式規格では、硬式テニスボールの規格は下記のように示されています。

重さ:56.0g~59.4g
直径:6.54cm~6.86cm

色:白色または黄色、表面は均一な布地で覆う

テニスで身につく身体能力

ボールの軌道を読み取り、瞬間的に体を動かし、相手との駆け引きを通して判断する。

その過程で運動能力とスポーツIQ(考える力)が自然と育ちます。
ここでは、初心者や学校体育で特に伸びやすい能力を紹介します。

①敏捷性(Agility):反応 → 動作 → 打つ の即時対応

テニスは常に予測不能な方向からボールが返ってきます。
「相手がどこに打つか」「自分はどの位置に移動するか」を瞬時に判断し、足を素早く動かす必要があります。

  • 相手の打ったボールに素早く反応する
  • ボールの落下地点を読み取って素早く移動する
  • 相手のフォームや視線から次のプレーを予測する

②持久力:短距離ダッシュの積み重ねで鍛えられる

テニスの試合は長時間続きますが、実際の動作は10秒程度の短い動きの連続です。
つまり、瞬発的な移動(無酸素)と長時間の集中(有酸素)を組み合わせた実践的な持久力が鍛えられます。

  • ポイントごとに全力で動き → 休憩 → 再度集中
  • 長時間のプレイによる「体や脳の持久力」
  • 試合を通じた精神的な粘り強さ

③判断力:相手と自分の状態を比較して意思決定する

テニスの本質は「相手のコートへ返すこと」ですが、競技志向になってくると、ただ返すだけでは勝てません。
どの高さ・どの回転・どの場所へ打つかを考える必要があります。

  • 相手の動いた方向と空いたスペースを見る
  • 速く打つか、コントロールして安全に返すか
  • 自分のポジションが遅れているなら無理をしない

このようにテニスは、常に最適解を探しながら体を動かすため、戦術的思考・状況判断が磨かれます。

基本動作を覚えよう

ラケットの握り方(グリップ)

初心者はコンチネンタルグリップ(ラケットの面を立てる)を基本にします。
手のひらでハンマーを握るような形で、サーブ・ボレー・守備的ショットが安定します。

効率的な構え方とフットワーク

足を肩幅に開き、ラケットは胸の前で構え、どこへ飛んできても対応できる姿勢を保ちます。

動きはラケットではなく足で作るのが鉄則。

姿勢と視線の作り方

ボールは軌道・速度・落下地点を見続けるのが最重要。
「打つ瞬間まで目を離さない」習慣が、安定したショットにつながります。

テニスの基本ショット4種類

フォアハンドストローク

体の利き手側で打つショット。
腰からラケットを振り出す感覚を意識し、腕ではなく体の回転で打つのがポイントです。

バックハンドストローク

利き手の反対側で打つショット。
初心者は両手打ちが安定しやすく、力も入りやすいです。

ボレー

ボールがバウンドする前(ノーバウンド)に打つショット。
スイングせず、ラケット面を壁にするイメージで打ち返します。

サーブ

ゲームの最初に打つショット。
テニスで唯一相手に邪魔されず打てるショットです。

安全に楽しむためのポイント

ウォーミングアップとクールダウン

テニスは動きの切り替えが多いため、足首・股関節・肩の可動を広げる準備が重要。
運動後はアキレス腱・ハムストリング・肩回りを伸ばして疲労を残さないようにします。

ボール・ラケットの危険性と距離感

初心者ほど視線がボールに集中し、周囲への注意がおろそかになりがちです。
ネット付近の衝突やフレームショットの事故を防ぐため、声かけ・距離確認を徹底しましょう。

屋外コートでの熱中症・紫外線対策

帽子・水分補給・日陰での休憩時間を設定。
特に学校体育では“運動量より安全管理”を優先します。

まとめ

テニスは生涯スポーツとして楽しみながら体も頭も使えるスポーツです。
俊敏さ、持久力、判断力、集中力が鍛えられますが、これらは勉強・仕事・日常生活でも役に立つ能力です。

年齢や経験に関係なく取り組め、テニスを通じてコミュニティができたり良好な人間関係を築けたりできる素晴らしい側面もあります。

今後も他の競技の特性などを元体育教師の目線で解説していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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